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ニュージーランド首相「強制わいせつ容疑の韓国外交官の引渡し求めない方針」

登録:2020-11-18 06:04 修正:2020-11-18 07:34
被害者、私人同士の仲裁に応じることに 
11月中に来韓し、外交部側と協議
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が、駐ニュージーランド韓国大使館職員にわいせつ行為をした疑いが持たれている韓国外交官のK氏に対する犯罪人引渡し請求をしない考えを明らかにした。

 ニュージーランドのメディア「スタッフ」は16日(現地時間)、アーダーン首相が閣議後に記者会見を行い、ニュージーランドでキム氏に対する犯罪人引渡し請求を行わないという趣旨の発言をしたと報じた。アーダーン首相は「私が下した決定ではない」と前提しながらも、K氏に対する引渡し請求が「当局者の前に置かれたオプション(選択肢)の一つだったなら、すでに履行されていると思う」と述べた。彼女は「我々の前にあるオプションの範囲からして、我々は選択できる最も主要なものの一つを選び、(文在寅)大統領に提起した」と述べた。同紙は、ニュージーランド政府がK氏に対する起訴などの法的措置を取る努力を中止したものと見られると報じた。これに先立ち、アーダーン首相は今年7月、文大統領との電話会談で、韓国外交官による現地職員への強制わいせつ事件に触れ、協力を要請した。

 そもそもこの事件は2017年末に遡る。ニュージーランド公館の現地人職員は2017年11月、K氏からわいせつな行為をされたとして、12月頃、大使館に告発しており、大使館人事委員会はK氏に対する警告措置で事件を終結した。翌年、外交部監査官室の監査で問題が確認され、事件は外交部本部懲戒委員会に付託された。K氏は減給1カ月の軽い処分を受けた。

 これとは別に、被害者は2018年にこの事件と関連し、国家人権委員会に陳情を出し、2019年10月にはニュージーランド警察にK氏を強制わいせつ容疑で告発した。ニュージーランド警察は捜査に着手したが、K氏が2018年2月に任期を終えて出国したことに加え、大使館に対する調査方式をめぐる隔たりを埋められず、調査が十分に行われなかった。フィリピンで勤務していたK氏は今年8月に帰任命令を受けて帰国した。外交部は、ニュージーランドの司法当局がK氏の引き渡しを請求する場合、協力すると表明したが、ニュージーランド側はこれまで司法協力を要求してこなかった。

 一方、人権委は今年9月、K氏のセクハラをした事実を認め、被害職員に一定金額を支給するよう勧告した。ただし、人権委は「K氏が被害者の性器にも触った」という被害者の2019年8月の主張に対し、「事件発生後相当時間が経過した時点でこうした主張をし、陳情者の主張が事実だと認める証拠を確保するのは難しい」と判断した。

 アーダーン首相の発言について被害者は「引き渡しを請求できないなら、その理由を聞かせてほしい。この問題に対する調査が必要だと思う」とし、「司法手続きは最後まで行わなければならない。裁判所が外交官に無罪判決を下すなら、裁判所の決定を尊重する」と述べたという。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/970325.html韓国語原文入力:2020-11-17 16:53
訳H.J

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