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[記者手帳]ユン・ソクヨル検察総長の支持率11%対24.7%…どちらが正しいのか

登録:2020-11-14 09:03 修正:2020-11-14 09:12
ユン・ソクヨル検察総長が先月29日、大田地方検察庁で地域の検事らと懇談会をした後、記念写真を撮り明るく笑っている/聯合ニュース

「11%対24.7%」

 2日間に発表された世論調査で、ユン・ソクヨル検察総長が次期大統領候補として得た支持率だ。世論調査機関のハンギリリサーチは11日、ユン総長が24.7%の支持率を得て、与野党の走者を合わせて1位になったと発表した。一方、13日に発表された韓国ギャラップの世論調査では、ユン総長は11%を記録し、共に民主党のイ・ナギョン代表(19%)とイ・ジェミョン京畿道知事(19%)に続く3位に終わった。この日に発表された韓国社会世論研究所(KSOI)とキリスト教放送の共同世論調査でも、ユン総長の支持率は11.1%で、イ・ナギョン代表(21.1%)とイ・ジェミョン知事(20.9%)に続く、差の開いた3位の座にとどまった。“ユン・ソクヨル現象”に対する解釈を越え、標本誤差範囲を越えるこれらの調査機関の間の支持率の間隙に関心が傾かざるをえない状況だ。

次期大統領選挙候補の選好度・支持率調査の推移//ハンギョレ新聞社

 多くの世論調査専門家は、調査方法の違いがこのような結果を生んだと指摘した。ハンギリリサーチの調査方法は、与野党からそれぞれ支持率3位のなかに入った候補を選び実施した混合調査だった。両陣営の有力走者だけを集め調査した一種の「仮想大統領選挙」だったわけだ。与党側と野党側の次期大統領候補の選考度を別に調査した結果、3位圏に入ったイ・ナギョン代表・イ・ジェミョン知事・正義党のシム・サンジョン前代表と、ユン総長・ホン・ジュンピョ議員・国民の党のアン・チョルス代表だけを選び出したというわけだ。

 そこで使われたデータは、10月に実施されたハンギルリサーチの世論調査の結果だった。当時の調査結果によると、汎与党陣営の候補のなかからはイ・ナギョン代表(25.3%)、イ・ジェミョン知事(24.2%)、シム・サンジョン前代表(2.4%)がそれぞれ1~3位を占めた。汎野党陣営では、ユン・ソクヨル総長(11.4%)、アン・チョスル代表(10.4%)、ホン・ジュンピョ議員(9.4%)の順だった。4位はユ・スンミン前議員だった。候補群が圧縮されたうえ、野党第一党である「国民の力」の所属候補が初めから除外され、世論が傾くことが避けられなかったわけだ。

 リアルメーターのペ・チョルホ首席専門委員はハンギョレとの電話インタビューで、「候補群が限定的に提示され、一種の結集効果が起きざるをえない調査の本質的な限界が存在した」とした。リアルメーターの場合、汎与党陣営と汎野党陣営の候補をそれぞれ5~6人ずつ、計10~12人以上の選択肢を提供し調査するという。リアルメーターが2日に発表した次期大統領候補の選考度調査で、ユン・ソクヨル総長は17.2%となり、イ・ナギョン代表とイ・ジェミョン知事に続く3位を記録した。

 一方、この日のユン総長が11%の支持率を得た韓国ギャラップのアンケート調査は、「次回大統領候補として誰が良いと思うか」を尋ねる自由応答型の調査方式を採用した。韓国ギャラップのチョン・ジヨン理事は「公告した両党の構図を中心に有力な走者群が形成された時期には、候補群を提示する方式でアンケート調査をしても問題ないが、多党構図に割れ、特に野党に有力な候補群が形成されていない状況では、候補群を提示しない方が正確な世論地形の把握に有利だ」と説明した。

 結果的に、時期と調査方式で差異は存在するが、ユン総長は「6肢選択」に圧縮された選択式で24.7%の支持率(ハンギルリサーチ)と1位を得て、もう少し選択肢の多い「12肢選択」の選択式では17.2%(リアルメーター)を、“記述式”調査では11%の支持率(韓国ギャラップ)を得たわけだ。

 これについてハンギルリサーチのホン・ヒョンシク所長は、大統領選挙で現れる陣営別の結集効果を考えれば、世論の歪曲という批判は受け入れられないと反論した。ホン所長は「大統領選挙に立候補するかどうかさえ分からない人物を12人も見本として提示する調査が、実際の選挙の結果とどの程度一致できるのか」としながら「特に大統領選挙の際に現れる票の結集効果を考えれば、ハンギルリサーチの調査方式が、むしろ政治陣営をよりよく示せる」と述べた。

 この他にも、ハンギルリサーチの有線電話面接の割合が23%と相対的に高いという点(韓国ギャラップ15%、リアルメーター20%)は、やはり調査に影響を及ぼした要因だという指摘が出ている。高齢層の回答者が多いという推定が可能だからだ。しかし、ハンギルリサーチのホン・ヒョンシク所長は「有線電話の回答だけを取り出してみると、むしろイ・ナギョン代表が1位になった」とし、そのような指摘にも反論した。

 もちろん、世論調査結果の差とは無関係に、ユン・ソクヨル総長の支持率が上昇の勢いに乗っていることだけは明らかな事実だ。韓国ギャラップの世論調査でユン総長は、9月と10月のいずれでも3%水準の支持率を示したが、11月に入り11%に急上昇したことがわかった。特に、「国民の力」の支持層で34%の支持率を占め、野党陣営支持の有権者の支持率を強く吸収していることが明らかになった。今回の調査は95%の信頼水準に標本誤差±3.1ポイントで、さらに詳しい事項は、韓国ギャラップと中央選挙世論調査審議委員会のウェブサイトを確認すればいい。

ノ・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/969856.html韓国語原文入力:2020-11-13 15:25
訳M.S

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