本文に移動

韓国の次期大統領候補、検察総長が支持率トップに…野党は“渋い表情”

登録:2020-11-12 09:50 修正:2020-11-12 12:29
ハンギルリサーチ、大統領選候補に関する世論調査
大統領候補の選好・支持度調査(単位:%)//ハンギョレ新聞社

 11日、世論調査によると、次期大統領候補の支持率調査でユン・ソクヨル検察総長が与野党を通じてトップに立ったという結果が出た。いっぽう、イ・ナギョン民主党代表、イ・ジェミョン京畿道知事ら与党陣営の候補を中心に堅固に維持されてきた2強構図が揺らいでいるが、野党の「国民の力」は「ユン・ソクヨル症候群」に渋い表情だ。

 ハンギルリサーチが「クッキーニュース」の依頼で7~9日に全国の18歳以上1022人を対象に調査した結果(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)によると、「与野党の次期大統領候補支持率」でユン総長は24.7%を得て1位となった。イ・ナギョン民主党代表は22.2%、イ・ジェミョン京畿道知事は18.4%で後に続いた。

 政治傾向ごとに見ると、保守層(34.7%)でユン総長に対する支持率が最も高かった。しかし、中道層(27.3%)と進歩層(13.0%)からも均等に支持を受けた。地域別では忠清道(33.8%)が最も高く、続いて釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶尚南道(30.4%)と大邱(テグ)・慶尚北道(27.3%)の順だった。仁川・京畿道(26.4%)、ソウル(22.0%)など首都圏でも高い支持率を記録した。

ユン・ソクヨル検察総長が11日午前、ソウル瑞草区の最高検察庁に出勤している/聯合ニュース

 難攻不落と思われていた与党中心の2強構図が崩れたが、野党「国民の力」の表情はあまり明るくない。国民の力のある初当選議員は「ユン総長はいずれにせよ『チェ・スンシル特検』で捜査チーム長を務め、弾劾まで進むのに決定的な役割をした人物」だとし、「今でこそ文在寅(ムン・ジェイン)政権と対立しているが、我々が拍手して彼を迎えるわけにはいかない」と話した。まだ形成されていない党内候補群が育つ足場が狭くなるというのも負担と思われる。党関係者は「少なくとも3~5%以上の支持率を獲得すれば意味ある候補として認知度が高まるが、今はそのような空間がなくなった状況だ」とし「政治に飛び込むかどうかも定かでないユン総長が、野党の票を吸収するのは望ましいことではない」と話した。ユン総長の存在感が浮き彫りになるほど虚弱な野党指導部に対する批判も出ている。チャン・ジェウォン議員はフェイスブックを通じて「無気力な野党は支離滅裂になり、ユン総長待望論に大きくて丈夫な翼をつけることになった」とし、キム・ジョンイン非常対策委員長に向けた批判を書いた。「ユン・ソクヨル現象」の背景として、チュ長官が「自分の政治」のためにユン総長を意図的に育てているという形態も指摘されている。ハ・テギョン議員はフェイスブックで「ユン総長を叩けば親文在寅派の中で支持を受ける。チュ長官はこうした親文在寅派の感情を利用して自分の商売をしている」として「持ちこたえてくれればこそ叩き続けることができるから、(チュ長官も)内心ではユン総長が退かずに持ちこたえるのを望んでいるだろう」と皮肉った。

 与党では「検察の政治的中立性」という原則論的批判と同時に、ユン総長の急浮上を警戒する声が出た。民主党のノ・ウンネ議員は同日、フェイスブックに「最初から中立を守らなければならない検察の総長が、野党の大統領選候補に挙げられるのは、それだけ政治的偏向性が大きいということを裏付ける」とし「正義という仮面をかぶって検察という刀を振り回してきた結果だ」と書いた。いっぽう、民主党のある関係者は「与党に対する民意離れがユン総長に対する支持率として表れたという点で、一種の警告メッセージとして受け止めなければ」と話した。イ・ナギョン代表はこの日、江原道原州(ウォンジュ)の現場最高委員会の後、取材陣から「現職の検察総長が次期大統領候補1位となったのをどう思うか」という質問を受け、「特に言うことはない」と言葉を控えた。

ノ・ヒョンウン、チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/969566.html韓国語原文入力:2020-11-12 02:31
訳C.M

関連記事