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北朝鮮、公海上の瀬取りで精油製品100万バレルを輸入…国連制裁を回避

登録:2020-09-23 06:18 修正:2020-09-25 07:58
ニューヨークの国連本部安全保障理事会=資料写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が公海上で船舶から船舶へと精油製品を移し替えるやり方(瀬取り)で国連制裁を迂回し、最近6カ月間で最大100万バレルまで輸入していたことが分かった。

 22日に公開された国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委員会傘下の専門家パネル報告書によると、北朝鮮は依然として瀬取りで国連が決議した制裁を回避しているという。専門家パネルは大型外国タンカーが直接北朝鮮に精油製品を運送し、北朝鮮がすでに今年5月に安保理決議が設定した年間輸入上限線の50万バレルを超過したという多数の加盟国の分析も掲載した。同パネルは、北朝鮮が6カ月間にわたり、最大100万バレルを輸入したと推算した。

 報告書には北朝鮮が「おそらく過去6回の核実験を通じて弾道ミサイルの弾頭に装着が可能な小型化された核兵器を開発した可能性がある」という加盟国の分析も盛り込まれた。また、北朝鮮が高濃縮ウラン生産と実験用軽水炉建設およびウラン鉱山開発活動も続けているものとみられるという内容も含まれている。衛星写真などを分析し、北朝鮮咸鏡南道の新浦(シンポ)造船所で目撃された様々な活動が「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の追加発射実験と関連する可能性がある」とも書いた。

 専門家パネルは、国連安保理決議が禁止した石炭の輸出も、北朝鮮が継続していると報告した。報告書によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散による国境封鎖の影響で、1月末から3月にかけて減少していた石炭輸出活動を北朝鮮が3月末から再開し、取引は前年度の水準まで回復したという。主な取引ルートとしては、中国の寧波舟山港が挙げられた。北朝鮮の労働者派遣については、中国やロシア、ベトナムなどで見られる情報技術(IT)分野の労働者の活動を指摘し、当該国に問い合わせていると明らかにした。報告書は、北朝鮮が国連加盟国の政府官僚や専門家パネル向けのサイバーハッキングなどを試みたということも公開した。

 今年2月から8月までの対北朝鮮制裁履行現況を調べた今回の報告書では、韓国と関連した違反事項はないことが確認された。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/963242.html韓国語原文入力:2020-09-23 02:42
訳H.J

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