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ルニス号、北朝鮮船舶との瀬取りの疑い…麗水港で調査

登録:2019-04-04 00:58 修正:2019-04-04 07:01
「3日午前、検査受けたが、特異事項ない」 
VOA「目的地に入港せず、数回にわたって公海上にとどまった」 
「制裁違反の疑いのある韓国船舶の処理は米・国連と協議中」 
ボイス・オブ・アメリカのホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 米国政府が最近、北朝鮮船舶との瀬取り(船舶間の違法積み替え)に関与したと疑われる船舶と指摘した韓国船籍のルニス(LUNIS)号が3日、韓国の港で調査を受けた。

 外交消息筋は「ルニス号が3日午前、麗水(ヨス)港に入り関税庁による調査を受けたが、特別な点は見つからなかった」とし、「当局が追加の調査をするかどうかは、まだ決まっていない」と伝えた。

 米財務省外国資産管理室(OFAC)は先月21日、北朝鮮の瀬取りと関連した注意報を発表し、疑惑の船舶リストに韓国船籍のルニス号を載せた。その後、米政府が韓国政府にルニス号に関する追加措置を求めたことはないという。

 これと関連してボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送は同日、ルニス号をはじめ先月米財務省が北朝鮮船舶との瀬取りを行った疑いがあるとした船舶が、目的地に入港せず、公海上に留まってから帰港したという疑わしい航跡記録が捉えられたと報道した。同放送は、船舶の位置情報を示す民間のウェブサイト「マリン・トラフィック(MarineTraffic)」を通じてこれらの船舶の1年間の動きを確認した結果、疑わしい動きが最も多かった船舶がルニス号だと報じた。

 昨年4月11日、韓国の麗川(ヨチョン)港を出発したルニス号は翌日、中国上海の沖合から約200キロ離れた東中国海の公海上に留まった後、船舶自動識別装置(AIS)を通じた信号が捉えられていなかったが、15日や18日、26日も同じ場所で位置情報が確認されるなど、当初次港地(目的地)に申告したシンガポールに入港せず、2週間にわたり公海上の同じ場所に留まったことが分かった。マリン・トラフィックによると、ルニス号は昨年5月にも2回東シナ海の公海上に留まってから韓国に帰ったという記録を残すなど、数回にわたって東シナ海などで留まったことが明らかになった。ルニス号は6500トン級のタンカーで、船社は昨年9月~10月の間関係当局の調査を受けたが、疑わしい点はなかったという通知を受けたと釈明した。

 一方、韓国の外交通商部は、安保理の北朝鮮制裁決議違反の疑いで、昨年10月から出港を見合わせて関係当局で調査中のP船舶の処理方案について、米国などと協議していることが分かった。外交消息筋は3日「抑留から6カ月近くたっており、同船をどう処理すべきか、米国と国連安保理制裁委員会と協議を行っている」と話した。

 国連安保理の北朝鮮制裁決議第2397号9項は、禁止活動に関与したと思われる合理的な根拠がある場合、加盟国の港に入港した当該船舶を拿捕・調査・凍結(抑留)できるように定めており、抑留から6カ月後、制裁委が適切な措置が取られたと判断すれば、当該船舶を解放するよう規定している。

 外交消息筋は「(北朝鮮船舶との)瀬取りの事例が増えたと安保理対北朝鮮制裁パネル委員会が指摘したが、実際に瀬取りと関連した制裁違反を摘発し、抑留した国は韓国だけだ」とし、「韓国が制裁決議をきちんと履行する模範を示しているというのが、国際社会の評価」だと話した。

パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/888569.html韓国語原文入力:2019-04-03 18:50
訳H.J

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