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北朝鮮、コロナに続く台風で被害甚大…金正恩委員長「闘争課題の全面的見直しを」

登録:2020-09-10 08:23 修正:2020-09-10 08:43
労働党中央軍事委拡大会議を開き 
経済計画・目標の「全面的な見直し」方針示す 
台風被害受けた剣徳地区に人民軍を投入 
党創建10月10日までの「復旧非常令」
北朝鮮の金正恩国務委員長が今月8日、労働党中央軍事委員会拡大会議を開き、台風9号で被害を受けた咸鏡南道剣徳地区の被害復旧対策について論議したと、朝鮮中央テレビが9日に報じた=朝鮮中央テレビ画面よりキャプチャー/聯合ニュース

 北朝鮮の「労働新聞」は9日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「台風被害により、年末闘争課業を全面的に見直し、闘争の方向性を変更せざるを得ない状況」だと述べたと1面で報じた。金委員長のこうした発言には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による長期国境閉鎖に加え、台風8・9・10号の相次ぐ被害で、今年の経済計画と目標の達成が困難になった事情が反映されたものと見られる。

 金委員長は8日、労働党中央軍事委第7期第6回拡大会議を開き、台風9号で「多くの被害が発生」した咸鏡南道剣徳(コムドク)地区の復旧に人民軍を投入することを決め、このように述べた。金委員長は「剣徳鉱業連合企業所と大興青年英雄鉱山、龍陽鉱山、白岩鉱山で2000世帯以上の住宅と数十棟の公共建物が破壊、または浸水し、45カ所で6万メートルの道路が流失、59本の橋が寸断されるなど交通が完全にまひする非常事態に直面した」と述べた。剣徳地区は、北朝鮮の代表的な鉱山地帯である咸鏡南道端川市(タンチョンシ)に位置する。剣徳鉱山は代表的な亜鉛山地で、大興・龍陽・白岩鉱山は北朝鮮の3大マグネサイト山地だ。

 金委員長は「検徳地区を復旧することは経済の重要な命脈を生かすためにも急務」だとし、「(党創建記念日の)10月10日までには新しく建てられる住宅の基礎を整え、道路と鉄道を復旧するとともに、年末までにはすべての被害を100%復旧できるよう、国家的非常対策を取らなければならない」と“タイムテーブル”まで示した。さらに「人民軍隊だけがもう一つの戦線を展開できる」とし、「復旧建設を再び人民軍に委任することにした」と述べた。

 これに先立ち、金委員長は8月19日、労働党中央委第7期第6回全員会議で「経済長成(成長・発展)の目標が極めて不十分」だとしたうえで、「人民生活において明らかな向上が見られない」と指摘し、「来年1月の党第8回大会で新たな国家経済発展5カ年計画を提示する」と明らかにした。

 台風の被害が拡大したことで、金委員長が「洪水被害と関連したいかなる外部的支援も受け入れない」(8月13日の党中央委第7期第16回政治局会議)という従来の方針を固守するのか、状況の変化に合わせて南北協力を含む国際協力の模索へと方向を転換するのかに注目が集まっている。韓国政府の元高官は「政府が積極的に糸口を見いだし、南北協力の道を開く必要がある」と述べた。

 一方、金委員長の呼びかけにより、1万2千人で構成された「首都党員師団」が8日、咸鏡道の被害復旧のために平壌を出発したと「労働新聞」が報じた。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/961542.html韓国語原文入力:2020-09-100 02:30
訳H.J

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