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国家情報院「金正恩委員長、キム・ヨジョン第1副部長に権限の一部を移譲」

登録:2020-08-21 06:30 修正:2020-08-21 07:37
「事実上のナンバーツー」国会情報委に報告
北朝鮮の金正恩国務委員長の実妹、キム・ヨジョン労働党第1副部長/聯合ニュース

 国家情報院(国情院)が20日、北朝鮮のキム・ヨジョン朝鮮労働党第1副部長が事実上、北朝鮮のナンバーツーの役割を果たしていると、国会情報委員会に報告した。国情院は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がキム第1副部長ら幹部指導部に自分の権限を一部委任して統治しているという事実も公開した。

 情報委の未来統合党幹事を務めるハ・テギョン議員は同日のブリーフィングで「(金委員長が)対韓・対米戦略をキム・ヨジョンに委任した。また報告過程で過去には金正恩が政務のすべてを取り仕切ったが、今はキム・ヨジョンが中間集約して金正恩に伝え、金正恩が指示を出すとそれを各機関に知らせる役割を担っている」とし、「事実上、ナンバーツーの役割を果たしている」と述べた。国情院は同日、経済分野はパク・ボンジュ党副委員長とキム・ドクフン首相、軍事分野はチェ・ブイル党軍事部長と戦略兵器開発を担当するリ・ビョンチョル党中央軍事委副委員長に権限が分散されたと、情報委に報告した。

 ただし、国情院は、キム・ヨジョン第1副部長に後継構図が決まったり、金委員長の健康悪化で権限の分散が行われたわけではないと見ている。キム第1副部長の談話を住民に暗記させるなど、キム第1副部長の政治的地位が強化されたものの、後継者に内定したと見る根拠はないというのが国情院の見解だ。

 また、国情院は北朝鮮の水害が深刻なレベルであることも確認した。情報委の共に民主党の幹事を務めるキム・ビョンギ議員は「集中豪雨で江原道と黄海南道・北道で深刻な被害を受けたという。特に、金正恩政権の発足後最大の被害を記録した2016年より浸水被害が大きく増加したと、国情院が説明した」と伝えた。さらに国情院は「寧辺(ヨンビョン)の5メガワット級の原子炉は稼働中止状態で、再処理施設を稼働している兆候も見られない。北朝鮮軍の夏季訓練量も25~65%減少した」と報告した。寧辺の核施設の浸水の可能性については「浸水などの動向報告がなかった。豊渓里(プンゲリ)と東倉里(トンチャンリ)にも変わった動きは見られない」と述べたという。北朝鮮が昨年公開した新型潜水艦の進水について、国情院は「既存のロミオ級を改造し、建造が完了したようだが、いつ進水するのかについては動向が把握できていない」と報告したと、キム議員は伝えた。

チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/958688.html韓国語原文入力:2020-08-20 22:37
訳H.J

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