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金正恩委員長、新型コロナによる民心の離反防止図る

登録:2020-07-21 06:12 修正:2020-07-21 07:15
平壌総合病院の建設現場で「人民に負担をかける」と叱責 
資材調達における問題を受け、人民による支援への依存を指摘 
責任ある幹部の全員交替を指示
北朝鮮の金正恩国務委員長が平壌総合病院の建設現場で現地指導を行なったと、「朝鮮中央通信」が20日付で報じた=朝鮮中央通信ホームページよりキャプチャー/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が平壌(ピョンヤン)総合病院の建設現場を訪れ、「設備・資材保障事業で各種の“支援事業”を奨励していることで、むしろ人民に負担をかけていると厳しく叱責した」と、「労働新聞」が20日付1面で報じた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で民心の離反が進んでいることを示唆する部分だ。

 同日付の「労働新聞」によると、金委員長は「平壌総合病院建設連合常務(タスクフォース)が、いまだに建設予算も立てず、いい加減な経済組織事業を進めている」とし、「このまま放っておけば、党の崇高な構想と意図が歪曲され、党の顔に泥を塗ることになりかねない」と厳しく批判した。また、これに関して金委員長は「党中央委の当該部署で(平壌総合病院建設連合常務の)責任ある幹部全員を交替させるように指示した」と「労働新聞」が報道した。

 金委員長のこうした叱責と指示は、COVID-19の大流行による朝中国境の閉鎖と、米国と国連の対北朝鮮制裁のため資材供給が円滑に行われず、これを「人民の自発的支援」で補うことによる“民心の離反”が相当な水準であることを裏付ける。北朝鮮当局は1月末に「国家非常防疫体系への転換」を宣言し、すべての国境を閉鎖して、これを6カ月間維持している。

 これに先立ち金委員長は3月17日、平壌総合病院の着工式での演説で、「最も重要でやりがいのある闘争課業」だとし、「平壌総合病院建設を党創建75周年(10月10日)までに必ず終わらせるため、みんなが奮起しなければならない」と述べた。さらに今月2日、党中央委第7期第14回政治局拡大会議で「人民に最上級の先進医療奉仕ができるよう、平壌総合病院を世界的水準で立派に完工すべき」と強調した。

 「労働新聞」は、金委員長が「厳しい環境の中でも建設が非常に速いスピードで進んできたとし、建設者の努力ある偉勲を高く評価した」として、金委員長が“批判”とともに“激励”もしたことも報じた。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/954436.html韓国語原文入力:2020-07-21 02:32
訳H.J