韓国政府が南北経済協力事業を中止する事由を「条約と国際合意履行など」に限定し、地方自治体を協力事業の主体と明示した南北交流協力法改正案が、27日に立法予告された。
統一部は「交流協力法制定30周年を機に、交流協力の安定性と持続性の保障や民間と自治体の自律性の拡大、交流協力推進基盤の強化など、交流協力の促進と平和増進の目的に忠実な法改正が必要だ」として、交流協力法「一部改正案」を立法予告(27~10月6日)した。
統一部は当初、北朝鮮訪問や協力事業協議のために北朝鮮の人に会うことについては、政府に届け出るだけで“承認”を受けなくてもよいという方向で法を改正しようと進めてきたが、今回の改正案ではこの計画は留保された。これに先立ち、統一部は5月27日の公聴会で、離散家族や脱北民が北朝鮮側の家族や親族と連絡あるいは接触したり、学者や研究者が北朝鮮関係者と研究目的の一回限りの連絡・接触をするなどの「訪朝を前提としない単純かつ偶発的な接触」の場合は、政府に届け出なくてもよい方向で改正を進める計画を明らかにした。しかし、このように法の重心を“統制”から“開放”に移そうとした統一部の野心に満ちた計画は、政府内部の意見の相違で今回は実現しなかった。
統一部は「北朝鮮が『対話と協力のパートナー』であると同時に、『反国家団体』という二重的地位にある以上、これを制度的にバランスよく考慮する必要があるという意見を取り入れた」とし、「南北関係の進展など状況の変化を見て再検討する予定」だと述べた。統一部当局者は「政府内で(他の省庁の)同意を引き出すのに不十分な点があった」とし、「当初の趣旨どおり改正される時期が早く来ることを願っている」と述べた。
改正案は、協力事業の中止措置について「条約と国際合意の履行など」の場合に限定し、「国務会議の審議」を義務的な手続きとして明示すると共に、「経営正常化のために必要な措置」を取ることができるようにした。2016年2月、朴槿恵(パク・クネ)政権の開城(ケソン)工業団地事業の全面中止処置をめぐる違憲・違法論議を念頭に置いた「恣意的な行政行為の排除」を目的とする改正である。
改正案はこのほか、北朝鮮訪問承認に関する拒否・制限事由を法律に明示し、北朝鮮地域に「非営利」目的の事務所の設置を可能にする規定なども設けた。