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戦時作戦統制権の韓国への移管、文大統領の任期内には事実上不可能に

登録:2020-08-12 06:26 修正:2020-08-12 12:14
16日から韓米合同軍事演習、新型コロナで縮小 
未来連合司令部、第2段階の検証を一部延期 
文大統領の任期内移管という公約の実現困難に
韓米軍当局は今月16日から28日まで例年より縮小した規模で後半期の合同演習を行う計画だ//ハンギョレ新聞社

 韓米戦時作戦統制権(戦作権)移管後に設立される未来連合司令部(韓米連合司令部)の第2段階検証である「完全運用能力(FOC)」検証が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、一部来年に延期されたことが分かった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内に戦作権移管は、事実上不可能になったものとみられる。

戦作権移管//ハンギョレ新聞社

 韓国軍消息筋は11日、「韓米軍当局が、来週から約2週間にわたり実施する韓米合同軍事演習で、未来連合司令部の完全運用能力検証を一部項目のみ実施し、残りは来年に再度実施することにした」と述べた。戦作権移管に不可欠な未来連合司令部の能力に対する第2段階の検証が事実上延期されたわけだ。

 未来連合司令部に対する第2段階検証完了が来年に先送りされれば、当初来年行う予定だった第3段階検証「完全任務遂行能力」(FMC)検証も2022年以降に延期される。韓米は、韓国軍将軍が主導する未来連合司令部の能力を3段階で検証し、戦作権移管の条件が満たされているかどうかを検討してから、戦作権移管を推進することで合意している。このため、未来連合司令部の能力に対する最後の3段階検証が2022年以降に延期されれば、文大統領任期の2022年5月までに戦作権移管を推進することは困難になる。

 文大統領の「任期内の戦作権移管推進」は当初、大統領選挙の公約だった。文大統領就任後、政府は韓米協議を経て「任期内」の推進を「早期」推進に政策調整を行ったが、内部的には依然として任期内の移管に重きを置いて推進してきたという。

 にもかかわらず、このように支障を来たすようになったのはCOVID-19のためだ。COVID-19の感染拡大で、今春予定の韓米連合軍司令部の演習が中止になったのに続き、今年夏の合同演習も規模を縮小して施行せざるを得なくなった。今回の合同演習は11~14日の危機管理参謀訓練(CMST)後、16~28日に行われる。しかし、COVID-19のため最小必要人員だけが訓練に参加し、未来連合司令部の完全運用能力の検証が一部だけ行われるようになったのだ。

 米軍の非協力的な態度と韓国政府の意志が弱いのも原因に挙げられる。韓国政府は2017年の韓米首脳会談で、「戦作権の任期内移管」が壁にぶつかると、すぐに一歩退いた。両国は今回の合同演習の協議過程でも対立したという。韓国は「戦作権移管に向けた未来連合司令部の検証に焦点を合わせるべきだ」と主張したが、米軍は「北朝鮮の脅威に備えた合同対応態勢の訓練にすべきだ」と反論した。政府関係者は「米軍の非協力的な態度やCOVID-19などで、政府でも任期内の戦作権移管は難しいと判断している」と述べた。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/957412.html韓国語原文入力:2020-08-1202:00
訳H.J

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