国防部によると、韓米の国防長官は21日に電話会談を行い、堅固な韓米同盟と両国国防当局間の緊密な協力体制を再確認した。
国防部はこの日「両長官は、条件に基づいた戦時作戦統制権(戦作権)移管、連合指揮所訓練、防衛費分担金交渉を含む様々な国防懸案について議論した」とし、このように明らかにした。しかし最近、外信で注目を集めた在韓米軍の撤退および削減については、この日の会談では「全く論議されなかった」と国防部のムン・ホンシク報道官代行は語った。外信発の在韓米軍撤退および削減問題は、韓米の国防長官の会談の議題にのぼるような実際の懸案では全くなかったということを再確認したものだ。
17日(現地時間)に米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は、米軍関係者の話として、米統合参謀本部が全世界の米軍の配置をどのように再調整し、減らしうるかについて、広範な再評価の一環として在韓米軍配置問題も検討したと報じた。これについて、これまで国防部は「米国から通告を受けたことも、米国と協議していることもない」と述べてきた。
両長官はまた、8月末に予定される韓米合同演習について、コロナ禍を見守りつつ、演習の規模や内容などを韓米で協議していくことにしたという。1カ月後に迫った合同演習は、コロナ禍が収まらなければ、米本土からの増員兵力の参加なしに在韓米軍と韓国軍のみで実施される可能性も視野に入れているという。そうなれば今回の韓米合同演習は、例年に比べて大幅に縮小された形で進められる可能性が高い。軍当局者は「米国本土から参加する兵力には米予備軍も含まれているため、今回の訓練にどれだけ参加できるかは流動的」と述べた。
国防部は、米軍の参加兵力の規模が決まれば、それに合わせて演習の内容などを決定する方針だ。今回の演習内容については、韓米間で立場の違いがあるという。韓国は「戦作権移管に向けて未来連合司令部の『完全運用能力(FOC)』検証訓練とすべき」との立場だが、米軍は「連合防衛態勢の点検に重点を置くべき」との立場だという。これについて国防部当局者は「韓米間に意見の相違があるというよりは、お互い立場を調整中と見るほうが適切だと思う」と述べた。
最近、政界では、南北関係などを考慮して韓米合同演習を延期すべきだという意見が出ている。イ・イニョン統一部長官内定者も21日、「個人の意見」と前置きしつつ、今回の韓米連合軍事演習が「延期されることを望む」と述べている。
しかし国防部は、戦作権移管が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の公約通り任期内に行われるためには、今回の韓米合同演習が正常に実施されなければならないという立場だ。韓米は昨年の合同演習で未来連合司令部の「基本運用能力(IOC)」を検証した。今回「完全運用能力(FOC)」を検証し、来年「完全任務遂行能力(FMC)」の検証を終えなければ、文大統領の任期が終わる2022年5月までの戦作権移管はできないということだ。今回の8月の演習が飛ばされることになれば、戦作権移管の日程に支障が生じる可能性が高い。