本文に移動

“診療補助”が代理手術も…「違法医療を防ぐために医師を増やすべき」

登録:2020-08-07 02:46 修正:2020-08-07 07:39
保健医療労組、会見で実態を告発 
「増員反対」スト予告した医協への批判も 
専攻医は7日に一日ストを強行
全国保健医療産業労組の組合員が6日、違法医療現場を告発する緊急記者懇談会を開いた。医師不足で生じる大学病院内の手術、施術、処置、処方など各種業務の空白を診療補助人材(PA)が埋めていることを明かし、公共医科大設立と医師人材拡充を求めた=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 「うちの病院は2009年に、産婦人科や外科など、専攻医が不足している診療科だけで19人のPA(フォジシャンアシスタント)看護師を雇いました。専攻医の週当たりの最大修練時間を80時間に制限する『専攻医法』が施行され、現在PAは66人まで増えています。インターンが行うべき手術アシストはもちろん、手術後の縫合までPAが行っている診療科もあります。66人のPAを採用したということは、もともとその仕事をすべき66人の医師が必要だということと同じです」(上級総合病院24年勤務の看護師Aさん)

 専攻医のストを翌日に控えた6日、民主労総保健医療労組が開いた記者会見で、保健医療労働者たちは、医療現場において「PA(医師の監督のもと診断や薬の処方、手術の補助など医療行為の一部をカバーする診療補助人材)」と呼ばれる看護師が違法に医師の業務を代行している実態を告発した。同労組の説明を総合すると、PAは2000年の医薬分業開始以来20年間にわたって医学部の定員が凍結され、医師の人手不足が発生したため、これを解消するために大手総合病院などが任意に設けている職域だ。主に看護師、救急救助士、医療技師などが病院の人材需要に応じてPAとして雇われる。同労組は現在、全国の病院で1万人程度の保健医療労働者がPAとして働いていると推定している。

 昨年、同労組が全国の29の病院を調査したところ、PAは医師に代わって、手術▽処方▽診断書や手術同意書などの作成▽盆正月など医師不在時の医師業務代行など、医師不足による業務の空白を埋める役割を果たしていることが明らかとなった。この日の記者会見で、上級総合病院の看護師Bさんは「うちの病院の看護師が、病院の指示により代理で心臓の超音波検査と診断行為を行い、最近告発された。病院が医師のIDとパスワードを看護師に教えて代理処方を強要したり、手術同意書を看護師に受け取らせた後に主治医の署名欄に虚偽で担当医師の名前を書かせることも多い」と語った。

 同労組は、各病院が医療法にもないPAを任意に置き、患者の安全が脅かされているとし、医学部の定員拡大と公共医科大の新設を求めた。同労組のパク・ノボン首席副委員長は、「違法医療行為を根絶するため、医師人材を画期的に増やすべきだ」と主張した。

 一方、パク・ヌンフ保健福祉部長官はこの日午前、「集団行動を自制し、対話と協議を通じて問題を解決しよう」と述べ、14日のストを予告する大韓医師協会(医協)に重ねて対話を呼びかけた。医協は前日、首相室と話し合うとして福祉部との会談を拒否している。この日午後、福祉部のキム・ガンニプ次官は、大韓専攻医協議会(大専協)との非公開懇談会を開いたが、大専協は7日に予定される専攻医ストを予定通り行うことにしている。福祉部は、7日の専攻医ストによる影響は大きくないとの見通しを示した。福祉部のソン・ヨンネ報道官は「教授や専任医が(インターン、レジデントなどの)専攻医の業務を代替できるため、診療待ち時間が長くなること以外は、診療上大きな支障はなさそうだ」と述べた。

ソン・ダムン、ファン・イェラン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/956794.html韓国語原文入力:2020-08-06 19:07
訳D.K

関連記事