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韓国政府、北朝鮮に1千万ドルの人道支援…南北協力の“呼び水”に

登録:2020-08-06 23:13 修正:2020-08-07 07:30
統一部、WFPを通じて乳幼児・女性を支援 
民間団体による防疫物品補給の承認に続き 
民間の生活必需品の交換も現実味帯びる
イ・イニョン統一部長官(左)が今月6日午前、政府ソウル庁舎で南北交流協力推進協議会を主宰し、発言している//ハンギョレ新聞社

 統一部は6日、政府ソウル庁舎でイ・イニョン統一部長官の主宰で第316回南北交流協力推進協議会(交推協)を開き、国連世界食糧計画(WFP)の「北朝鮮乳幼児・女性支援事業」に南北協力基金1千万ドルを支援する案件を審議・議決した。

 イ長官が先月27日に就任して以来、政府レベルで初めて行われた対北朝鮮人道支援の決定だ。「食料、医療・保健問題、離散家族の再会」から突破口を開くと強調してきたイ長官が、政府と民間の両方から南北協力再開の呼び水となる措置を進めているということだ。これに先立ち、イ長官は、ある民間団体が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査キットや消毒液、防護服など8億ウォン(約7100万円)相当の防疫物品を北朝鮮に送るとして提出した「対北朝鮮搬出申請」も承認した。

 イ長官は今回の支援決定について、「人道的事業を政治・軍事的に連携するという短期的で狭い視野から抜け出し、人道的協力は(政治・軍事的状況とは関係なく)長い目で一貫して推進するという原則を確実に履行する出発点」だと意味づけた。イ長官は「まず人道的分野と小さな交易から南北間交流と協力を始め、次第に南北間の約束と合意の全面的履行に発展させていく必要がある」と強調した。対北朝鮮制裁というハードルを越える“イ・イニョン流の小さな交易”ともいうべき民間レベルの南北間での「生活必需品の物々交換」方式の交易も、近いうちに可視化される見通しだ。

 今回の支援は、WFPが北朝鮮の7歳以下の乳幼児と女性の生活の質の改善を目標に、北朝鮮当局と合意して推進している栄養支援事業の一環。北朝鮮の9道60郡の保育園や幼稚園、小児病棟などの乳幼児や妊婦、授乳婦17万4千人に栄養強化食品9千トンを、北朝鮮の就労事業参加者2万6500人(女性が60%)にトウモロコシや豆、食用油3600トンを支援する事業だ。韓国政府は6月3日、キム・ヨンチョル統一部長官(当時)とデイビッド・ビーズリーWFP事務局長(当時)のテレビ電話会談を機に、「WFPに1千万ドル供与」の方針を決めたが、対北朝鮮ビラ問題に伴う南北の対立により、キム長官が辞任する過程で“保留”されていた。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/956808.html韓国語原文入力:2020-08-06 21:04
訳H.J

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