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韓国の20・30代、既成政界の性認知感受性に幻滅

登録:2020-07-16 06:57 修正:2020-07-16 07:29
世代間断絶をもたらした「パク・ウォンスンめぐる対立」 

既成政治家たちにとってジェンダー問題は副次的なもの 
被害者に連帯した若い議員が非難され 
大学街「2次加害糾弾」の壁新聞も 
若者層の70%以上が「真相究明求める」
故パク・ウォンスン・ソウル市長を強制わいせつ行為の容疑などで告訴した被害女性を代理するキム・ジェリョン弁護士(前列左から2番目)と女性団体関係者らが13日午後、ソウル恩平区碌ボン洞の韓国女性の電話事務所で開いた記者会見で意見を交わしている=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 パク・ウォンスン・ソウル市長の強制わいせつ行為疑惑をめぐり、世代間の断絶現象が起きている。既成政治家が被害者を守るべきという声を一蹴し、追悼に集中する間、20~30世代の政治家らが先頭に立って被害者と連帯し、真実究明を求める流れを作っている。

 最近、各大学では今回の疑惑を巡り、真相究明や再発防止策作りなどのため、ソウル市や政界が積極的に乗り出すことを求める壁新聞(大字報)が登場している。ソウル大学の中央図書館には14日、「たとえその人が社会に数多くの足跡を残したとしても、残っている証拠と関連者に対する徹底した調査を通じて真実が明らかにされなければならない」という趣旨の立場文が貼られた。同日、延世大学の中央図書館前に掲示された立場文にも「(パク市長の)葬儀場では与党関係者が多く、性犯罪について言及した人はあまりいなかった。彼らの弔問は性犯罪を告訴した人に沈黙せよという圧迫であり、2次加害だ」という糾弾が盛り込まれた。青年ユニオンも声明で、パク市長の青年政策を高く評価しながらも「政界は被害者を冒涜する行動をやめるべきだ」と主張した。

 今回の事件をめぐる世代間の世論は、世論調査でも分かれた。リアルメーターが15日に発表したアンケート調査(全国の成人1千人が対象、信頼水準95%、標本誤差±3.1%)の結果を見ると、回答者の64.4%がパク市長の強制わいせつ行為疑惑に対する真相調査が必要だと答えたが、20代(76.1%)と30代(70.8%)では、いずれもその回答の割合が70%を超えた。一方、50代は56.1%、60代は60.5%で、かなりの格差があった。特に、「20・30世代」は、パク市長の強制わいせつ行為疑惑を越え、既成政治家たちのこの事件に対する態度に憤りを感じたという。これに先立ち、正義党所属のチャン・ヘヨン議員とリュ・ホジョン議員がパク市長を「弔問しない」意思を表明すると、「子どもじみた考えだ」などと非難された。

 若者たちは性別に関係なく「既成世代がジェンダー問題をまだ副次的なものとしてとらえている」と口を揃えた。大学生のキム・ガラムさん(24)は「既成政治家たちはパク市長の葬儀形式ばかりを話すだけで、被害者の保護対策などについてはあまり取り上げなかった」とし「性暴力事案は刑事手続きだけで解決できるという固定観念に囚われているようだ」と述べた。性暴力問題の刑事的な解決を超えた「共同体的な解決」に対しては認識が足りないという指摘だ。大学生のSさん(26)も「MeToo運動の後は性暴力に対する対応も変わらなければならないのに、過去と類似した安易な対処が続いている」と批判した。

 政治的行動で既成政界を圧迫するという意見もある。Lさん(32)さんはイ・ヘチャン共に民主党代表が同日、「党レベルの真相調査は困難だ」と述べたことについて、「若者世代ではジェンダー問題を重要視しているのに、既成世代はそうではない。補欠選挙を控えているから、補欠選挙のときに投票で結果を示さなければならないと思う」と話した。

 新村文化政治研究グループのキム・ソンギ研究員は「“進歩派”陣営の青年たちは既成政界の性認知感受性(gender sensitivity)に幻滅し、対応を求めてきた。『若者世代は政治に関心がない』という既成世代の多数の認識とは異なり、若者たちが直接政治的変化を作っている」と述べた。

パク・ユンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/953865.html韓国語原文入力:2020-07-165:01
訳H.J

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