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「検察・メディア癒着疑惑」ハン・ドンフン検事長の捜査に歯止めをかける最高検察庁

登録:2020-06-22 10:20 修正:2020-06-22 17:34
中央地検、チャンネルAの記者と対話した 
録音ファイル確保し、被疑者に転換 
記者の拘束令状、ハン検事長の召喚を決定 
最高検察庁、何度も補完を指示し食い止め
ハン・ドンフン釜山高検次長検事//ハンギョレ新聞社

 検察とメディアの癒着疑惑を捜査中のソウル中央地検と最高検察庁が、ハン・ドンフン釜山高検次長検事(検事長)に対する捜査をめぐって対立している。これに先立ち、ソウル中央地検捜査チームは「チャンネルA」の記者らとハン検事長の対話の録音ファイルを分析した後、今月初めからハン検事長を被疑者の身分に転換して捜査してきた。捜査チームはチャンネルAのL記者の拘束令状を請求し、ハン検事長の召喚調査の日程も決めたが、最高検察庁刑事部は犯罪構成が難しいという意見を提示するなど、捜査に歯止めをかけている。

 21日のハンギョレの取材内容を総合すると、ソウル中央地検刑事1部(部長チョン・ジヌン)は、チャンネルAのP記者の携帯電話からハン検事長との録音ファイルを発見し、強要未遂罪を立証できる手がかりを確保した。録音ファイルは、2月13日にP記者が会社の先輩であるL記者とともに釜山高検の次長検事室でハン検事長と会い、交わした対話を録音したもの。この日はユン・ソクヨル検察総長が釜山高検と地検を訪問した日だった。捜査チームは録音ファイルを分析した結果、ハン検事長に強要未遂容疑を適用できるとみて、ハン検事長を被疑者の身分で召喚し取り調べることにした。捜査チームは、L記者に対しては拘束令状を請求する方針を決めた。

 ユン・ソクヨル検察総長は録音ファイルの内容について報告を受けた後、「6月4日以降、この事件の指揮に関与しない。ソウル中央地検と最高検察庁の意見の相違がある場合、最高検察庁部長会議に指揮を一任する」という公文書をソウル中央地検に送った。6月4日は捜査チームがハン検事長を被疑者に転換した時点だ。

 ユン総長が「指揮回避」の意思を明らかにし、捜査は急ピッチで進むものと予想された。しかし、拘束令状請求など重要な事案で最高検察庁首脳部の意思決定が遅れ、捜査はスピードを出せずにいる。捜査チームは先週、携帯電話2台とノートパソコンをフォーマットしたL記者は証拠隠滅の可能性が大きいため拘束令状を請求するという報告を最高検察庁にしたが、21日現在までは決裁を受けられていない。捜査チームはまた、先週ハン検事長を被疑者身分で召喚し取り調べようとしたが、この日程も延期された。最高検察庁刑事部は、捜査チームに何度も捜査の補完を指示しているという。ハン検事長の弁護人はハンギョレの釈明要請に対し「その日はいくつもの報道機関の訪問に対して通常の応対をした。捜査や取材には関与しなかった」と明らかにしていた。

 一方、ソウル中央地検はこの日、「ハン検事長がチャンネルAの記者らとの会話で『ユ・シミンが何をしたのか私も知らない。関心もない』と話した」という「朝鮮日報」の報道に反論した。ソウル中央地検は「記事に言及された内容は、確保された証拠資料のうち一部だけを関係者に有利な部分だけ選択して報道することにより、事実関係全般をごまかしたり歪曲し、捜査過程の公正性にも誤解を招く恐れがある」と明らかにした。

キム・テギュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/950337.html韓国語原文入力:2020-06-22
訳C.M

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