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パク・ジョンチョル烈士が死去した509号室の窓に赤い花…文大統領「奇跡のよう」

登録:2020-06-11 02:21 修正:2020-06-11 08:54
6・10民主抗争記念式スケッチ 

ペ・ウンシムさん「33回目の6・10への手紙」朗読 
文大統領「民主人権記念館は奇跡」 
警察庁長官が出席「国家暴力」謝罪の意味
文在寅大統領が10日午前、ソウル龍山区の民主人権記念館で開かれた6・10民主抗争記念式で式辞を述べている。パク・ジョンチョル烈士が拷問を受けて死亡した旧南営洞対共分室509号調査室の外壁に花がかかっている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 10日、33周年6・10民主抗争記念式が行われたソウル南営洞(ナミョンドン)の民主人権記念館予定地の庭には、文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめ、民主化運動団体の代表や有功者らが並んだ。文大統領は2017年にソウル広場で開かれた記念式典以来、3年ぶりの出席。長い間「南営洞対共分室」と呼ばれてきたこの場所は、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時代の1976年に、建築界の巨匠キム・スグンの設計により誕生した。当初5階建てだった建物は、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権時代の1983年に7階建てに増築された。1985年には、ここで民主化運動青年連合のキム・グンテ議長(当時)が拷問技術者イ・グナンから22日間にわたって殺人的な拷問を受けた。1987年1月14日には、ソウル大学の学生の朴鍾哲(パク・ジョンチョル)さんが509号室で水拷問を受けている途中で死亡している。

 2年前に民主人権記念館を建設すると約束した文大統領は、「奇跡のようだ」という感想を語った。文大統領は「この不幸な空間を民主主義の空間へと生まれ変わらせたのは、まるで魔法のような偉大な奇跡に違いない。厳しい時代を乗り越え、ついに闇の空間を希望と未来の空間へと変えた韓国国民と民主人士たちを誇りに思う」と語った。

 この日、勲章を授与されたイ・ハンニョル烈士の母親ペ・ウンシムさんは、亡くなったイ・ソソンさん(1970年に劣悪な労働条件の改善を求めて焼身自殺した全泰壱(チョン・テイル)烈士の母)とパク・ジョンギさん(パク・ジョンチョル烈士の父)に向けて「33回目の6月10日に送る手紙」を朗読し、出席者を粛然とさせた。ペさんは「イ・ソソンさんは全泰壱さんのそばに行ってしまったし、ジョンチョル君のお父さんも息子と一緒にいるので、私一人で今日こうして勲章をいただきます。私一人だけいただいていいのだろうか、と思います。ジョンチョル君のお父さんもこんな私を見て『そこで何してるんだ』と言うと思います」と語った。

 記念式を終えた文大統領は、夫人の金正淑(キム・ジョンスク)女史とともにパク・ジョンチョル烈士が亡くなった509号調査室を訪れ、献花し黙祷した。文大統領は調査室に設置された拷問用の浴槽を見て、「(見た瞬間)恐怖を感じる。徹底した孤立感の中で(抵抗の意志を)破壊するもの」と述べた。金女史は6月抗争当時に市民たちが路上で渡したバラやカーネーション、カスミソウ、ハンカチをパク・ジョンチョル烈士の遺影にささげた。行事にはミン・ガムニョン警察庁長官も参加した。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/948795.html韓国語原文入力:2020-06-10 18:51
訳D.K

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