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再び“不通の時間”に戻った南北

登録:2020-06-10 06:15 修正:2020-06-10 07:19
4・27板門店宣言から2年でこう着状態に 
北朝鮮「南側とのすべての連絡線を遮断・廃棄」 
「対韓国業務→対敵事業」への転換を宣言 
統一部「遺憾」…大統領府、立場表明せず
北朝鮮官営メディア「朝鮮中央テレビ」は、今月9日12時から南北間のすべての通信連絡チャンネルを遮断・廃棄すると報道した=「朝鮮中央テレビ」の画面よりキャプチャー/聯合ニュース

 北朝鮮が9日、大統領府への直通電話(ホットライン)を含め、南北間すべての通信連絡線を遮断すると発表した。また対南(対韓国)業務も、韓国を敵とみなす「対敵事業」に切り替えると宣言した。北朝鮮は、予告どおり軍通信線などを利用した韓国の連絡に応じなかった。北朝鮮が対北ビラまきを問題視して南北共同連絡事務所の閉鎖を予告したのに続き、南北連絡チャンネルの断絶を宣言するなど、相次いで対南強硬策を打ち出したことで、2018年の4・27板門店宣言で追い風に乗っていた南北関係は、2年で再び厳しい局面に立たされた。

 北朝鮮の「朝鮮中央通信」は同日午前、「北南間のすべての通信連絡線を完全に遮断する措置を取ることについて」と題した報道を通じて、「6月9日12時から北南共同連絡事務所を通じて維持してきた北南当局間の通信連絡線や北南軍部間の東・西海通信連絡線、北南通信試験連絡線、労働党中央委員会本部庁舎と大統領府間の直通通信連絡線を完全に遮断・廃棄することになる」と明らかにした。これらの報道は北朝鮮住民も見る「労働新聞」にも2面トップで掲載され、本格的に進められることを予告した。

 北朝鮮はまた「今回の措置は南朝鮮との一切の接触空間を完全に撃閉し、不要なものをなくすことを決心した第一段階の行動」だとし、“追加措置”も予告した。キム・ヨジョン第1副部長が4日未明、対北ビラまきに対する韓国政府の態度を激しく非難する談話文を発表して以来、5日の南北共同連絡事務所の閉鎖宣言や6日の平壌(ピョンヤン)市民集会などに続き、相次いで強硬対応策を打ち出して、韓国への攻勢を強めている。

 今回の強硬策はキム・ヨンチョル党中央委副委員長とキム・ヨジョン第1副部長が8日、対南事業部署総和会議で「裏切り者とクズどもが犯した罪状を正確に計算するための段階的対敵事業計画を審議」したうえで下した指示によるものだと、同通信が報じた。北朝鮮は重ねて対北ビラまきを非難し、「黙って見ていれば幻滅させられるばかりの南朝鮮当局とこれ以上向き合うことも、協議する問題もないという結論に至った」と主張した。

 実際、北朝鮮は同日、南北共同連絡事務所を通じた通話と西海・東海地区軍通信線、艦艇間の国際商船通信網などを通じた通話などに応じなかった。北朝鮮は8日午前、韓国の共同連絡事務所業務開始の電話に出ず、午後、業務終了の電話には出たが、同日は再び電話に出なかった。軍通信線は、2018年8月に復旧されてから、再び不通状態に戻った。

 これについて統一部当局者は「南北通信線は疎通のための基本的な手段であり、南北間の合意に基づいて維持されなければならない」として、遺憾の意を示した。また「政府は南北合意を遵守しながら朝鮮半島の平和と繁栄のために努力していく」と述べた。大統領府は立場を表明していない。

 一方、ペ・ジュンヨン未来統合党スポークスパーソンは論評を発表し「居直りも甚だしい、ならず者の北朝鮮を批判するどころか、庇護する屈従的姿勢を貫く政府の態度は主権国家の正常な対応とは言えない」とし、韓国政府を非難した。チュ・ホヨン院内代表も「南北関係で政府が常に低姿勢で、屈従的な態度を取ってきたため、このようなことが起きた」と批判した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/948632.html韓国語原文入力: 2020-06-10 02:40
訳H.J

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