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北朝鮮、南北間すべての連絡線を遮断…「段階別対敵事業への最初の措置」

登録:2020-06-09 09:44 修正:2020-06-10 09:31
9日正午から直通電話を遮断 
8日、対南事業部署の事業総和会議 
キム・ヨジョン第1副部長、キム・ヨンチョル副委員長が指示
キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委第1副部長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が9日正午から大統領府ホットラインと軍通信線を含め、南北のすべての連絡線を断ち、対南(対韓国)業務を「対敵事業」に転換すると労働新聞が報じた。複数の対南事業部署が参加した事業総和会議が8日開かれ、この会議でキム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会第1副部長とキム・ヨンチョル党中央委副委員長が「段階別対敵事業を審議」し、このような指示を下したと伝えた。昨年ハノイで行われた朝米首脳会談の決裂後、揺れていた南北関係が重大な岐路に立たされた。

 北朝鮮当局はこうした決定事項を「南北間のすべての通信連絡線を完全に遮断する措置を取ることについて」と題した「朝鮮中央通信報道」の形で、労働新聞と朝鮮中央通信を通じて発表した。「すべての人民の必読メディア」である労働新聞の2面トップ記事でこれを公表することで、さらなる行動を予告した。ただし、発表形式だけを見ると公的機関の声明・談話よりは公式性が低い。

 北朝鮮は、キム・ヨンチョル副委員長とキム・ヨジョン第1副部長が8日、対南事業部署の総和会議で「対南事業を徹底的に対敵事業に転換しなければならないという点を強調し、裏切り者とクズどもが犯した罪の重さを正確に計算するための段階別対敵事業計画を審議し、まず南北間のすべての通信連絡線を完全に遮断することに対する指示を下した」と明らかにした。

 続いて「我が方の該当部分では、9日(午後)12時から北南共同連絡事務所を通じて維持してきた北南当局間の通信連絡線、北南軍部間の東西海通信連絡線、北南通信試験連絡線、朝鮮労働党中央委本部庁舎と(韓国)大統領府間の直通通信連絡線を完全に遮断することになる」と明らかにした。そして「今回の措置は南朝鮮との一切の接触空間を完全に撃閉し、不必要なものをなくすことを決心した第一段階の行動」だとし、「追加措置」を予告した。

 北朝鮮のこのような措置は、一部の北朝鮮離脱住民(脱北民)団体の対北朝鮮ビラ散布を正面から問題視した「キム・ヨジョン談話」(4日)と、「南北共同連絡事務所を断固撤廃し、すでに示唆した様々な措置も同時に立てることにする」と公言した統一戦線部報道官談話(5日)の延長線上にある。

 北朝鮮は「南朝鮮当局は彼らの重大な責任をつまらない看板を掲げて仕方ないというように回避しながら、クズどもの反共和国敵対行為を黙認し、北南関係を破局的な終着点に追い込んだ」とし、「黙って見ていれば幻滅ばかりを招く南朝鮮当局とこれ以上向き合うことも、論議する問題もないという結論に達した」と主張した。そして、北朝鮮へのビラ散布を「身のほども知らず最高尊厳に触れ、結局わが人民全体を敵視」する行為だと規定し、「我々は最高尊厳だけは何者とも変えることができず、命を投げ出して死守する」と述べた。

イ・ジェフン先任記者 ysong@donga.com

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/948507.html韓国語原文入力:2020-06-09 08:56
訳C.M

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