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[インタビュー]「新型コロナ再流行の場合は全国が危険地帯に…警戒を続けるべき」

登録:2020-05-01 06:41 修正:2020-05-01 08:04
キム・シヌ大邱市感染病管理支援団長 
 
秋や冬に再流行する可能性高く 
特定地域でなく全域に広がる恐れも 
 
公共医療院を増やすと共に 
民間病院の公共性発揮も重要
キム・シヌ大邱市感染病管理支援団長=大邱市提供//ハンギョレ新聞社

 大邱(テグ)が2カ月間新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と死闘を繰り広げた間、第一線司令部にはキム・シヌ大邱市感染病管理支援団長(53・慶北大学病院アレルギー感染内科教授)とキム・ジョンヨン副団長(48・慶北大学病院公共保健医療事業室教授)がいた。彼らは2月18日に大邱で初の感染者が発生してから今月19日までの62日間、大邱市役所で開かれた定例ブリーフィングに一日も欠かさず参加し、防疫対策を説明した後、直ちに職場の慶北大学病院に戻り、診療にまい進した。

 特にキム団長は、COVID-19が広がりを見せた初期、患者の治療に当たり、14日間自宅隔離されたこともあった。彼は自宅隔離期間中も自宅でテレビ電話で患者の診療と治療に当たった。2015年のMERS(中東呼吸器症候群)事態当時も大きな役割を果たした感染病専門家のキム団長は、ハンギョレのインタビューで「大邱には小さな火種でも再び火が広がる危険性が残っている」とし、「礼拝のような宗教集会の際には留意するなど、特別な注意が必要だ」と呼びかけた。

-大邱の防疫が成功したと評価する人が多いが。

 「多くの人が努力した結果だ。防疫が100点とは言い難いが、危機は乗り越えたといえる状況だと思う。積極的なCOVID-19検査と自宅隔離措置をしてきたおかげだ。これまで新天地イエス教会や療養病院、精神病院、介護人など高危険群を積極的に捜し出して検査した。何より大邱市民たちが社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)や手洗い、マスクの着用などに積極的に参加してくれたおかげで、防疫に成功したと思う。中央政府や自治体の努力ももちろんだ」

-1日の感染者が数百人を記録した時、どんな気持ちだったか。

 「2月末、一日の感染者が700人を超えた時期もあった。3月初めにも500人を超えた。病床はないのにどうやって受け入れるか心配だったが、政府と他の自治体に(感染者を)受け入れてもらい、何とか持ち堪えることができた。感謝している」

-療養病院で少数ではあるものの、引き続き感染者が出ている。

 「現在、大邱には小さな火種が投げかけられただけでも、再び火が広がる危険性が残っている。礼拝のような宗教集会の際には留意しなければならない。いつでも再燃する可能性がある。気をつけなければならないという点を強調したい。特に新天地イエス教会や療養病院、精神病院などといった高危険群の監視を緩めてはならない」

-今年の冬にCOVID-19が再び流行するという話もある。

 「秋になるか、12月になるか、来年2月になるか、それは分からない。しかし、再びCOVID-19が流行すれば、全国的に広がるのではないかと見ている。特定の地域に集中するよりも、全国的に拡散する可能性が高い。大邱は隔離と検査、ソーシャル・ディスタンシング、手洗い、マスクの着用など、それなりに経験とノウハウが蓄積されているため、再び大流行しても(他の地域より)比較的早く克服できると思う」

-死亡者を減らす方策はないか。

 「根本的に、治療薬の開発が重要だ。薬がないため、基礎疾患を有する高齢者層が死闘を繰り広げた末、亡くなっていく。韓国は感染が確認された高齢者層も国民健康保険医療サービスを受けられるため、他の国より死亡率が低かった。最近は入院患者のうち重症化する患者が1カ月前よりかなり減った」

-また別の伝染病が出現するかもしれないが。

 「伝染病はまた到来するかもしれない。ポスト・コロナに備えなければならない。公共医療院を多く建設することだけが解決策ではない。公共医療体系の強い欧州も、今回、多く崩壊したのではないか。危機の際、民間病院が公共性を発揮できる方策を講じなければならない」

ク・デソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/942765.html韓国語原文入力:2020-05-01 05:00
訳H.J

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