「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急事態」である日本で、消毒薬の不足により医療機関までがアルコール濃度の高い酒を消毒薬の代用品として使う状況に陥り、安倍晋三政権がアルコール濃度の高い酒の税金を免除する案を検討している。
NHKは「厚生労働省は消毒薬の代用品として用いるアルコール濃度の高い酒について、飲料用ではないことを明示すれば酒税を酒税を課さない方向で調整を進めている」と29日に報道した。消毒薬が不足している医療機関と高齢者福祉施設が少しでも安い価格でアルコール濃度の高い酒を購入できるようにしようとの計画だ。
厚生労働省は今月中旬、COVID-19拡散でアルコール消毒液の供給不足現象が起きると特例措置を発表し、「酒」も消毒薬として用いることを可能にした。アルコール濃度70%以上を対象に限定して全国の医療機関に方針を伝えた。以後、酒類業者がアルコール濃度が高い酒である「高濃度エタノール」の販売を始めた。
日本の医療機関と福祉施設の中には、医療装備と用品不足のために、ゴミ袋を防護服の代わりに使うなど奮闘している所が非常に多い。朝日新聞が最近紹介した千葉県の障害者福祉施設「北総育成園」が代表的な例だ。入所者と職員の少なくとも121人がCOVID-19陽性判定を受けたこの施設で、職員はゴミ袋用のビニール袋をテープで付けて防護服の代用として着て働いている。
この施設では先月末に入所者26人が感染判定を受けた。当時の日本政府はCOVID-19の感染患者は軽症でも入院治療する方針を固守していたが、病床不足により軽症患者を入院させる所がなかった。悩んだ千葉県は異例として軽症患者は施設に入所の状態で治療を受けさせるとの決定を下し、職員と医療チームの“死闘”が始まった。感染拡大を防ごうと入所者の住居空間と消毒された空間を分離し、ゴミ箱用の黒い箱を積んで“境界”を作った。
日本のCOVID-19状況が総体的な難局から容易には抜け出せずにいると、国会でも安倍政権のCOVID-19対応を追及する声が高まっている。立憲民主党の枝野幸男代表は安倍首相に「検診を受けたくても受けられない現象」を問いただした。安倍首相が「医者が必要であると判断した患者には、(検査を)受けることができるようにしなければならない」と答えると、すぐに枝野代表は「2カ月前にした話を繰り返している」と批判した。
安倍首相は今月6日、1日2万件の検査を「目標値」として掲げた。25日時点での厚生労働省の1日の検査能力は1万5600件に留まっている。全国全ての家庭に布マスク2枚ずつを配布する事業も「アベノマスク」波紋が続いている。汚染していたり破損した不良品が相次いで発見され、納品会社4社中2社が未配送分を回収して検品している。納品会社のうちの1社である「ユースビオ」は、関連する実績もなく、代表は脱税容疑で有罪判決を受けた経歴があることが明らかになり、政府の納品契約の背景まで疑われる状況だ。そのため、全てのマスクの配布は来月中でも完了は難しいようだと朝日新聞は見通した。