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「比例代表0番ジョイを国会に」 久々に意見が一致した政界

登録:2020-04-20 02:20 修正:2020-04-20 08:00
正義党「本会議場立入り保障」要求に 
韓国党ウォン・ユチョル「正義党の論評に感謝」 
国会事務処「前向きに検討」…受け入れへ糸口
未来韓国党のキム・イェジ当選者の盲導犬ジョイが1日午前、ソウル汝矣島の国会で開かれた未来韓国党の選挙対策会議に出席している/聯合ニュース

 未来韓国党の比例代表キム・イェジ当選者のパートナーであり「目」である盲導犬「ジョイ」は、国会本会議場の敷居を越えることができるだろうか。政界は19日、第21代国会で議政活動をともにする「ジョイ」を迎え入れるため、久しぶりに意見が一致した。

 ジョイをめぐる論議の発端は、不明確な国会法の規定だった。国会法第148条は「議員は本会議または委員会の議場に議事進行の妨害となる物や飲食物を持ち込んではならない」と規定している。また、国会法151条は「議場には議員、首相、国務委員または政府委員、その他議案審議に必要な人と、議長が許可した人のほかには立入りできない」と定めている。視覚障害者の盲導犬が国会本会議場に立入りできるかどうかを明確に定めた規定自体がなかったわけだ。

 このような規定によって、国会は慣例的に本会議場や常任委の議場などへの盲導犬の立入りを禁止してきた。2004年、第17代国会で視覚障害のある当時のハンナラ党のチョン・ファウォン議員も、盲導犬の代わりに補佐陣の助けを借りて議会活動を行っている。

 キム・イェジ当選者は、盲導犬の国会への立ち入りが議論になっている状況自体が納得しがたいとの反応を示した。同氏は自身のフェイスブックで「盲導犬は視覚障害者の目であり、同伴生命体の役割を果たす存在であり、害になる物や飲食物ではない。民意の殿堂たる国会において、バリアフリーは単純に関連設備の施工にとどめてはならない。国会においてバリアフリーは配慮ではなく義務」と強調した。先の総選挙でキム氏を人材迎え入れによって公認した未来韓国党は、象徴的な意味で盲導犬のジョイに比例代表の記号0番を与えてもいる。

 国会事務処は、ジョイの国会本会議場への立入りについて前向きに検討しているという立場だ。ただし、ジョイが本会議場で長時間待機する場合、待機スペースや衛生スペースなどが別途必要になる可能性があり、これについて総合的に検討するという。国会関係者は「キム当選者の便宜と意思を最優先に考え、ジョイの本会議場立入り可否を決定するというのが基本的な方針。ただ、本会議場立入りの可否を決定するのは国会議長の権限のため、キム当選者が活動することになる第21代国会議長が決めるのが手続き上は正しいのではないか。そのことについて検討中」と述べた。

 政界は、久々に党派を越えた心温まる雰囲気を演出した。正義党のカン・ミンジン報道担当は論評を発表し「国会事務処はキム当選者の盲導犬の国会本会議場立入りを保障しなければならない。視覚障害者の国会議員が非障害者議員と同等の権限を行使するのに支障なきよう、十分に支援しなければならない」と述べた。共に民主党のイ・ソッキョン議員も自身のフェイスブックに「悩むべきことではない。国会は神聖な場所でも、俗な場所でもなく、ただ多数が集まる場所であるに過ぎない。当然盲導犬の立入りを受け入れるべき」と書いた。

 キム当選者と未来韓国党も感謝の意で応えた。キム当選者はこの日、文書を公表し「障害に対する差別のない国会を作る上で、その意を共にしてくださった正義党と共に民主党のイ・ソッキョン議員に感謝の意を伝える」と述べた。未来韓国党のウォン・ユチョル代表も「1カ月あまりの選挙キャンペーン期間と各種会議で見守ってきた盲導犬ジョイは、議事運営に全く障害にならなかった。未来韓国党代表として正義党とシム・サンジョン代表に感謝したい」と述べた。

ノ・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/941062.html韓国語原文入力:2020-04-19 14:58
訳D.K

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