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在韓米軍72人が新型コロナ感染確認…身元・感染経路は明かされず

登録:2020-04-06 04:19 修正:2020-04-06 11:36
平沢基地、ソウル研究所に3回検査依頼 
身元は明らかにせず「韓国駐留軍ではない」 
空母ルーズベルトの乗組員の可能性を提起 
韓国外の米軍兵士まで検診は「不適切」
平沢の在韓米軍基地キャンプ・ハンフリーズで、新型コロナウイルス感染症予防のため、軍関係者たちが出入り運転者を対象に発熱検査を行っている//ハンギョレ新聞社

 米軍72人が最近、韓国国内の研究所で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性判定を受けたことが確認された。しかし在韓米軍司令部は、彼らが韓国に駐留する米軍ではないとしているだけで、感染経路をはじめ感染者の勤務地さえ明らかにしていない。

 COVID-19診断検査を担当するソウルのS研究所は、先月から今月初めにかけて3回にわたり米軍72人に対してCOVID-19の陽性判定を下した。この72人の検体に対する診断検査は、京畿道平沢(ピョンテク)に位置する在韓米軍基地のキャンプ・ハンフリーズの米軍病院の依頼によるものだった。このような事実は、検査を依頼された研究所が基地のある地域の自治体である平沢市に通報して明らかになった。

 陽性判定を受けた米軍72人の具体的な身元は、5日現在まで確認されていない。平沢市はキャンプ・ハンフリーズにある在韓米軍司令部に彼らの身元などについて問い合わせたが、在韓米軍司令部は「在韓米軍ではなく、韓国の安保に役立つ軍人」だと言及しただけで、口を閉ざしている。

 このため、感染者と感染経路をめぐって様々な推測が出ている。まず、原子力空母「セオドア・ルーズベルト」で勤務する乗組員だという観測が提起されている。セオドア・ルーズベルトを率いるブレット・クロージャー艦長は先月30日、乗組員らの新型コロナ感染の可能性を懸念し、米国防総省に支援を要請する書簡を送ったが、この手紙の内容がメディアに公開され議論が起きた。結局、クロージャー艦長は電撃的に解任された。

 セオドア・ルーズベルトの最近の航路に韓国からさほど遠くない南シナ海などが含まれていることが、このような観測をさらに強化している。セオドア・ルーズベルトは今年1月、母港のカリフォルニア州サンディエゴを出発し、先月中旬にベトナムのダナンなどに寄港した後、南シナ海の機動訓練にも参加した。現在、グアムに停泊している同船からは、4日現在で155人の感染診断者が出たという。状況が急変したことで、米軍はCOVID-19診断のスピードや正確さなどに関して国際社会の信頼が高く、同船の航路から遠くない韓国などに緊急支援を要請した可能性があるということだ。

 このほか、沖縄やグアムの米軍基地も挙げられる。韓国に比較的近いだけに、これらに駐留する米軍が診断検査を受けた可能性が提起されている。

 いずれにせよ、一部では在韓米軍が韓国外で勤務する米軍将兵の検診まで韓国内の研究所に依頼したことは不適切だという声もあがっている。見方によっては、国内で在韓米軍が享受する特殊な位置を利用して、事実上米国民の検診を依頼したも同然だからだ。今回、在韓米軍が検診を依頼し、検体に実名ではなく番号だけを表記する方式で身元を確認できないようにしたことも論議を呼んでいる。平沢市側は「疾病管理本部から今後は出所が不明な検体は検査するなと言われた」と明らかにしたが、疾病管理本部はこれを否定した。

 在韓米軍関連の累積COVID-19感染者は、5日に新規感染者が1人確認され、計19人に増えた。また、在韓米軍はCOVID-19対応指針を破って部隊外の居酒屋に出入りした将兵たちに強力な懲戒を下したと明らかにした。このため、中士1人は俸給が没収され、兵士3人は俸給没収とともに階級が訓練兵に降格された。韓国軍は13日間新規感染者を出しておらず、累積感染者39人(現在7人、完治32人)の水準を維持している。

パク・ビョンス先任記者、ホン・ヨンドク、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/935744.html韓国語原文入力:2020-04-06 02:40
訳C.M

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