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新型コロナの抗体を探知できるたんぱく質の製作に成功…治療剤の開発に拍車かかるか

登録:2020-03-11 06:12 修正:2020-03-11 07:59
中央防疫対策本部のクォン・ジュヌク副本部長(国立保健研究院長)が今月10日午後、忠清北道清州市の疾病管理本部で新型コロナの国内発生現況及び患者の中間調査結果など定例ブリーフィングを行っている//ハンギョレ新聞社

 疾病管理本部傘下の国立保健研究院が、血液中に新型コロナウイルスの抗体を発見し分離できるたんぱく質を作ることに成功した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療剤やワクチンの開発に一歩近づいたもので、保健当局は18カ月以内に実際に使用できるように最大限努力すると述べた。

 保健研究院は10日、「COVID-19の治療薬の開発に必ず必要な抗体探知用のたんぱく質の製作に成功した」と発表した。「プローブ」と呼ばれるこの特異たんぱく質を利用すれば、回復期の患者の血液から「中和抗体を生産する細胞」(B細胞)を検出できる。中和抗体とは新型コロナウイルスを無力化したり、消滅させることができる抗体を指す。保健研究院は「新型コロナウイルスの抗体生産が可能になった」とし、「今後、多様な新型コロナウイルスの抗原たんぱく質を精製し、中和試験法を確立することで、治療剤の效能評価も可能にする予定」だと明らかにした。

 これに先立ち、二回にわたってCOVID-19の治療などのための12の緊急懸案課題を公募した保健研究院は、抗体治療剤の開発とともに、回復期の患者の血漿(けっしょう)を利用した血漿治療剤の開発も進める計画だ。キム・ソンスン保健研究院感染病研究センター長は「外部企業や学界、医療界と協力研究を促進し、臨床適用が可能なCOVID-19の治療薬の開発に一歩前進するきっかけになるだろう」と述べた。

 中央防疫対策本部のクォン・ジュヌク副本部長は同日のブリーフィングで、「治療剤とワクチンの開発に向けて、まだ様々な検証と調査が必要な状況」だとしながらも、「世界保健機関(WHO)事務局長が18カ月以内にワクチンの使用が可能になるよう努力すると公言したが、我々もそのような希望を胸に、努力していきたい」と述べた。

イ・ユジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/931972.html韓国語原文入力:2020-03-11 02:40
訳H.J

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