新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散で生活必需品などの配達が増え、宅配労働者たちの過労と感染リスクを懸念する声が出ている中、SNSを中心に玄関にマスクや差し入れを置いて宅配労働者を応援するキャンペーンが広がっている。
9日、インスタグラムなどSNSでは「#配達屋さんありがとう」というハッシュタグとともにマスクやビタミン飲料、手の消毒剤、紅参(高麗人参)、コーヒーなどを玄関の前に置いた写真がよく見られるようになった。COVID-19の拡散後、直接買い物をしに外に出る代わりに配送サービスを利用することが多くなった市民たちが、宅配労働者に感謝の気持ちを表すためにキャンペーンを始めたのだ。市民たちは個人用衛生用品や差し入れを準備し、メッセージとともに玄関のドアの前やマンションの廊下に置き、主に非対面配送をする宅配労働者が持っていきやすいようにしている。
マスクや差し入れに添えた短い手紙には「厳しい環境の中でご苦労様です。いつもありがとうございます。健康に気をつけて、今日も安全運転!」「最近新型コロナのせいでたくさんの人が配達を頼んで、私たちも配達させて申し訳ない気持ちもあり、とても感謝しています」などの応援メッセージが書かれている。ある7歳の子どもは宅配労働者を描いた絵とともに「配達屋さんへ。雨の日も雪の日も感染症が流行している今も、いつも私の家に必要な物を安全に持ってきてくれてありがとう。いつもすてきな配達屋さん、がんばってください」と手紙を書いて玄関のドアの前に貼った。キャンペーンに参加したキム・ミンジさん(34)はハンギョレに「新型コロナで配達屋さんたちが大変そうだと思い、子どもと一緒に準備した。配達屋さんとエレベーターで会うと本当に喜んでくれる」と伝えた。宅配労働者たちが持っていくようにマスクを用意しておいたチェ・ミンギョンさん(40)も「最前線で一生懸命駆け回っている配達屋さんこそマスクが必要だと思った」と話した。
宅配便労働者たちもプレゼントを用意してくれた人にメールを送ったり、手紙の下や物品の箱に「ありがとうございます」「いただきます」などの返事を書いて感謝の意を表している。あるネットユーザーはSNSに宅配労働者から「感謝の言葉と、温かさを感じたという言葉をお伝えしたい」というショートメールを受け取ったと伝えた。
このような中、大手スーパーのオンラインモールの配送量の急増を受け、宅配労働者の労働の強度が高まっているのに、彼らを保護する対策が足りないという指摘が出ている。民主労総サービス連盟マート産業労組は先月26日、報道資料を出して「配送件数と物量が増えているが、マンパワーの増員対策は皆無だ。配送員にとって安全措置はマスクを着用することだけなのに、これすらきちんと支給されていない」と批判した。