9日から「マスク購入5部制」が実施され、一人が買える保健用マスクが一週間に2枚に制限される。マスク不足が“日常”になった状況を皆が安全に乗り切るには、不便さと不満を漏らすだけでなく、より必要な場合に優先的に使う知恵も必要だ。
マスクをつける目的は大きくは、他の人から出たウイルスの遮断▽自分から出るウイルスの遮断の2つだ。自分と他人の感染予防の目的を覚えておけば、マスクを必ずつけなければならない場合も比較的明らかになる。本人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者であったり、感染者と接触したり、咳・くしゃみ・痰・鼻水・喉の痛みさなど感染が疑われる症状を感じた場合などは必ず保健用マスクを着用しなければならない。こうした人の世話をしたり、銀行、食堂、スーパーマーケットのように多くの人と接触してウイルス伝播の危険が高いところで働く人、病院に行く場合も同様だ。
このような場合に該当しない健康な人なら、時と場所、状況によってマスクを選別して着用するのが騒動を克服する現実的な方法だというのが、感染病専門家の助言だ。疾病管理本部と食品医薬品安全処(食薬処)、高麗大学九老病院感染内科のキム・ウジュ教授などのアドバイスを受けて、具体的な事例について調べてみた。
――公園を散歩する時も保健用マスクをつけるべきか。
「他の人との距離が1~2メートル以上離れている野外、道、公園などではあえてマスクをつけなくていい。COVID-19は“空気伝播”、すなわち感染者の唾液が空気に乗ってウイルスを移す可能性は非常に低いと見られているからだ。成人の場合、手を伸ばしても届かない距離であれば普通1メートル以上離れていると考えればいい。逆にマスクを買うために並ぶ場合などは、他人と距離が近いのでマスクをつけた方が安全だ」
――家族と家にいる時も?
「同居人がCOVID-19が疑われる症状を示すことがなければ、みんなで家でまでマスクを使う必要はないというのが専門家たちの意見だ。家に一人でいる場合もマスクの着用は不要だ。家では手の衛生にもっと気を使った方が良い。外出の後には必ず石鹸で流れる水で30秒以上手を洗い、携帯電話など手に多く触れる物は消毒剤で拭くのがよい。頻繁に換気をすることも役に立つ」
――KTXに乗ったり、公共交通機関を利用する時は?
「通勤の列車や地下鉄、バスなど、混雑し人と距離が近くなる状況では、必ずマスクをつけた方が良い。KORAILは先月27日から、利用客が少ない列車で窓側の席を優先して売る方式で乗客間の距離を置き、万が一の感染の危険に備えている。公共交通の中にいても他の人と1~2メートル以上離れているなら、感染の可能性は低くなる。ここでも重要なのは手の衛生だ。つり革やドアノブ、降車ボタンなどを触った後は、直ちに手指の消毒剤を塗った方が良い。地下鉄駅などにあるトイレを利用した後も、必ず石鹸で手をきれいに洗い、それができない場合は消毒剤を塗る」
――会社の事務所で働く時にマスクをつけると苦しいのだが…
「勤務環境によってマスクの着用方法が変わることもある。交代勤務などで室内の密集度が低くなった状況で、健康な同僚同士で働いているのなら、あえてマスクをつけ続ける必要はない。ただ、他人と向かい合って近くに座って働いたり、頻繁に接触する場合は、できるだけつけたほうが安全だ。会社の建物に出入りする時は、公共交通機関を利用する場合と同様に、多くの人々が触るドアノブやエレベーターのボタンなどを押した後、手の消毒をするべきだ」
――個人的な事情で保健用マスクを手に入れるのが難しいが、布マスクを使っても大丈夫だろうか。
「保健用マスクがないなら、何も使わないよりは布マスクでもつけた方がいい。できれば静電気フィルターをつけて使うのがより効果的だ。ただし、布マスクは濡れやすく、保健用より早く汚染される恐れがあるため、最大限一時的・制限的につけ、頻繁に洗ったほうがいい」