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「低所得層に緊急生活費支給しよう」新型コロナ災難基本所得論議あいつぐ

登録:2020-03-05 01:19 修正:2020-03-05 07:22
政界、市民団体「一時的導入」を提案
民生党のパク・チュヒョン共同代表(中央)が4日午前、国会政論館で開かれたCOVID-19災難基本所得に関する記者会見で発言している//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散により景気低迷の懸念が高まっている中、政界と市民団体からは、一時的にでも「災難基本所得」を国民に支給しようという提案が相次いでいる。COVID-19拡散の直撃を受けた低所得層や自営業者などに現金を支給した場合、所得保全や消費刺激の効果があるだけでなく、韓国社会がまだ実験したことのない基本所得(ベーシックインカム)の効用も予測できるという論理だ。

 民生党のパク・チュヒョン共同代表と基本所得党、時代転換、未来党、基本所得韓国ネットワークは4日午前、国会政論館で共同記者会見を開き、「補正予算を含めた約30兆ウォン(約2兆7200億円)の政府財源のうち、15兆ウォン(約1兆3600億円)を基本所得に充て、全国民に一時的な基本所得30万ウォン(約2万7200円)を支給すること」を提案した。彼らは、賃貸料額に対する税額控除、乗用車の個別消費税引き下げのような政府の総合支援対策では低所得層に直接的なメリットがないとし、「COVID-19のような災難状況の中で基本所得を支給し、新しいパラダイムを開いていくきっかけとしよう」と述べた。

 支給方法についての具体的なアイデアも噴出している。「時代転換」のイ・ウォンジェ共同代表は同日午前に文化放送(MBC)ラジオに出演し、「その日その日の稼ぎで食いつないでいかねばならない人々はCOVID-19が災害となっているため、この人々に限定して基本所得を支給しよう」と述べた。小商工人や個人事業者などの非賃金労働者650万人に対象を限定して、1カ月に30万ウォンを2カ月だけ支給するという提案だ。共に民主党の包容国家ビジョン委員会も3日に「国民1人当たり平均50万ウォン(約4万5300円)以内の緊急生活支援金を支給し、戦時に準ずる災難期の基本所得を実現しよう」との緊急提案をしている。最大で15日にわたり全国民の移動を最少化するため、平均50万ウォンの生活費を支給し、その実現のために大統領緊急財政経済命令も検討すべきというのだ。先月29日にはSOCAR(ソカー、カーシェアリング業者)のイ・ジェウン代表が大統領府の国民請願に「厳しい状況に置かれた国民に災難基本所得50万ウォンを支給してほしい」との請願をアップし、話題となっている。

 実際にアジアの一部の地域では、COVID-19に対処するために災害基本所得が支給されている。香港は先月26日、内需経済活性化と家計支援のために18歳以上の永住権者700万人に1万香港ドル(約155万ウォン、約14万1000円)を支給すると発表した。マカオもすべての永住者に約44万ウォン(約3万9900円)相当のキャッシュカードを支給する予定だ。

ファン・グンビ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/931148.html韓国語原文入力:2020-03-04 19:03
訳D.K

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