政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)克服に向けて11兆7千億ウォン(約1兆600億円)規模の補正予算案を編成したことにより、今年の政府の財政赤字は拡大した。
4日に閣議決定した「COVID-19の影響の最小化と早期回復に向けた補正予算案」によると、財源の大半の10兆3千億ウォン(約9340億円)は国債を発行して調達する。残りは韓国銀行の余剰金7千億ウォン(約635億円)と、各種基金の余剰資金7千億ウォンを充てる。
今回の補正予算案がそのまま国会で承認されれば、政府の財政状況を表す統合財政収支(総収入-総支出)の赤字は11兆ウォン(約9970億円)増え、赤字総額は41兆5千億ウォン(約3兆7600億円)となることが予想される。統合財政収支から社会保障性基金の収支を除いた純粋な政府の財政を表す管理財政収支も、赤字規模が10兆5千億ウォン(約9520億円)増加し、赤字総額は82兆ウォン(約7兆4300億円)となる見通しだ。これは国内総生産(GDP)の4.1%に当たる。管理財政収支の赤字比率は通貨危機を経験した1998年(4.7%)以降最も大きい。
国内総生産に対する国家債務の比率は、本予算(39.8%)より1.4ポイント上がり、41.2%になる。現在、韓国の国家債務比率は、他の経済協力開発機構(OECD)加盟国に比べれば良好だ。企画財政部によれば、国家の比較基準である一般政府(中央・地方政府+非営利公共機関)の負債比率(2018年現在)は、OECDの33の加盟国の中で韓国が4番目に低い。しかし急速な少子高齢化で今後負債比率の増加速度も速まると予想され、国家財政を安定的に管理すべきという要求も上がっている。
ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官は「COVID-19の被害克服の支援や景気を支える問題などを考慮すれば、国債発行に頼るのは避けられないと判断した。財政健全性を損なわない範囲で管理できるように努力する」と語った。