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米国「THAADアップグレード」…発射台の移動配備の可能性も

登録:2020-02-15 07:00 修正:2020-02-15 13:28
「10億ドル投じ遠隔操作」方針示す 
星州以外への移動、追加配備の恐れも 
韓国国防部「協議事案…米国側から言及なし」 
星州基地の工事費に54億円を割り当て 
韓国政府の負担をめぐる協議の難航予想される
慶尚北道星州基地=資料写真//ハンギョレ新聞社

 米国が高高度防衛ミサイル(THAAD)の性能改良に大規模な予算を配分し、朝鮮半島でパトリオット(PAC-3)との相互運用性を拡大すると発表し、慶尚北道星州(ソンジュ)に配備されたTHAADの運用にどのような影響を与えるかが注目される。米国のミサイル防衛網が一層強化されるため、中国と北朝鮮が敏感に反応する可能性があると見られる。

 14日に行われた米ミサイル防衛局(MDA)の2021会計年度予算案のブリーフィングによると、米国は本土やグアム、韓国の星州(ソンジュ)など7カ所に配備されたTHAADの性能改善と迎撃ミサイルなどの購入に10億ドルを配分した。遠隔操作によりTHAAD発射台の移動性を確保し、さらにTHAADとパトリオットの体系を統合するという方向まで提示した。これに先立ち、米国はこのような計画を韓国にも説明したという。

 ミサイル防衛局のジョン・ヒル長官はブリーフィングで、「THAAD発射台を遠隔操作したり、(作戦半径を)増やすもの」だとし、「発射台を砲台と分離できれば、運用にさらに柔軟性を持たせることができるだろう」と述べた。さらに「レーダーを後方に移動させ、発射台を前に置くことも可能になる」と付け加えた。現在、星州のTHAAD砲台はレーダーと6基の発射台が有線で接続されており、一体として動くようになっている。

 遠隔操作の範囲がどこまで拡大されるかは定かではないが、THAAD発射台が砲台から分離された場合、星州から離れることもできるかに注目が集まっている。一部では、THAAD性能の改良が発射台の追加配備につながる恐れがあるという指摘もある。しかし、国防部当局者は「米国は実務的レベルにおけるソフトウェアの改良を通じて、段階的にTHAAD体系をアップグレードしていくと説明しただけで、配備について言及したことはない」とし、「THAAD発射台の移動や追加配備は韓国と協議しなければならない事案」だと強調した。

 THAADとパトリオットの統合運用は、米国のミサイル防衛システムが一層強化されることを意味する。ヒル長官は統合運用の目標として、THAADレーダーを利用したパトリオットの発射などを挙げた。一部では、星州のTHAADレーダーが、中国を含む全世界を包括する米国の統合ミサイル防衛システムと連動するという見通しも示されている。星州のTHAADレーダーが朝鮮半島を離れ、米国のミサイル防衛網に編入されるもので、中国のさらなる反発が予想される。

 米国はさらに、ブリーフィングで、来年予算に星州基地関連の工事費4900万ドル(約580億ウォン)を配分し、これを韓国政府が出す可能性も検討してきたと明らかにした。工事費には武器庫や保安施設、電気、下水道、道路舗装などの項目が含まれている。政府がこれまで、THAAD配備費用は米国が負担し、韓国は敷地と基盤施設を提供すると明らかにしてきたことから、工事費の性格が問題となることが予想される。国防部関係者は「基盤施設と見なせるものもあり、そうでないものもある」とし、「今後、一般環境影響評価などを進めながら協議しなければならない事案」だと述べた。

ユ・ガンムン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/928332.html韓国語原文入力:2020-02-15 02:32
訳H.J

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