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「THAAD3年と米中貿易戦争1年に新型コロナまで…爆弾落とされたようなもの」

登録:2020-02-08 07:07 修正:2020-02-08 09:04
ソウル市のパク・ウォンスン市長、在中国韓国人会関係者と面会 
マスクや手の消毒液など医療品の支援が急がれる
今月7日午前、ソウル市庁で開かれたソウル市のパク・ウォンスン市長と在中韓国人会関係者との面会=ソ・ヘミ記者//ハンギョレ新聞社

 中国在住の韓国人たちが、新型コロナウイルス感染症事態でマスクや手の消毒液などが手に入らず、緊急の支援が必要であるうえ、経済的困難を強いられていると訴えた。

 ソウル市のパク・ウォンスン市長は7日午前、ソウル市庁で中国韓国人会総連合会会長など在中韓国人会関係者9人と面会した。

 パク・ウォヌ中国韓国人会総連合会会長は「マスクと手の洗浄剤が絶対的に足りない」とし、「マスクが手に入らず、コットンのTシャツでマスクを制作し、配っている。手消毒液もなく、アルコールを薄めて使ったり、50度の中国白酒を消毒液の代わりに使うなど、厳しい状況だ」と話した。

 キム・グァンシク広州韓国人会会長は「今、中国はマスクがないと外にも出られない」とし、「20年、25年も中国で暮らしてきた方たちが生活基盤を捨てられず帰国できないのに、今すぐ配れるマスクまたは医療品がない」とし、医療品の支援を要請した。

 シン・ドンファン天津韓人会会長は「工場を稼動しなければならないため、(在中韓国人たちが)逆に(中国へ)帰っている」とし、「私も明日帰らなければならないが、昨日やおととい届く予定だったマスクがまだ届いていない」とし、マスクの品薄現象について言及した。

 在中韓国人たちは、新型コロナウイルス感染症事態で経験する経済的被害も懸念した。パク・ウォヌ会長は「THAAD(高高度防衛ミサイル)のため3年間苦しみ、昨年には米中貿易戦争で1年間厳しい状況が続いた」と、「ようやく少しは良くなったと思ったら、今年初めからウイルスまで来た。爆弾を落とされたようなもの」だと話した。

 一方、この場では政界やマスコミによる風評被害に言及し、止めてほしいという訴えも出た。山東連合会のチョン・ヨンヒ会長は「世界的な公式名称が新型コロナウイルスなのに、その名称を使わず『武漢肺炎』と言うと、中国人に対する蔑視になる」とし、政界の一部関係者が「武漢肺炎」を使い続ける行動に問題を提起した。また、チョン会長は「マスコミで数日前までも中国人観光客がないと騒いでいたのに、今度は中国人の入国を封鎖して遮断すべきというのは話にならないと思う」とし、「中国にいる80万人の韓国人同胞が直面する状況を考えてほしい」と話した。

 在中韓国人の発言を聞いた後、パク市長は「物資は備蓄している量を確認し、どの程度支援できるか検討してから送るようにする」と答えた。さらにパク市長は「中国人が多く使う言葉の中に『雪中送炭』という言葉がある」とし、「中国人には受けた恩は必ず返すという伝統と認識があるが、熱心に努力し、中国人に誠意を見せるのも重要だと思う」と述べた。

ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/927384.html韓国語原文入力:2020-02-07 16:26
訳H.J

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