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[インタビュー]「韓国7大宗教指導者、率先して北朝鮮個別観光を申し込む」

登録:2020-01-22 23:00 修正:2020-01-23 08:40
キリスト教教会協議会イ・ホンジョン総務の新年会見
韓国キリスト教教会協議会のイ・ホンジョン総務=チョ・ヒョン宗教専門記者//ハンギョレ新聞社

 「我が国の7大宗教の代表が、率先して北朝鮮個別観光を申し込むでしょう。また、各教団が北朝鮮個別観光運動を行うでしょう」

 プロテスタント系の9教団の連合機構である韓国キリスト教教会協議会(NCCK・教会協)の総務を務めるイ・ホンジョン牧師(64)は22日、ソウル市光化門(クァンファムン)のあるレストランで新年記者懇談会を開き、このように明らかにした。

 イ総務はプロテスタント・仏教・カトリックなど7大宗教指導者の集いである韓国宗教家平和会議(KCRP)次元で「北朝鮮個別観光運動」を議論し、来月25日の定期総会で決める予定だと付け加えた。韓国政府は最近、南北交流活性化措置の一つとして、北朝鮮が発行したビザさえあれば中国など第3国を経由する個別の北朝鮮観光を許容する方案を検討中だと明らかにした。

来月25日、韓国宗教家平和会議総会
汎宗教界「個別観光運動」決定を計画
「昨年、朝鮮宗教家平和会議に伝達」
朝鮮戦争70周年「米国朝鮮半島平和行動」
全米長老教会総会「北の朝鮮キリスト教連盟」を招請
大田コルリョン谷民間人集団虐殺事件など
「国家暴力被害問題の解決に乗り出す」
「フェイクニュース検証センター」設置し公論化

 「北側には朝鮮宗教家平和会議という韓国宗教家平和会議のパートナーがあり、昨年8月末にドイツのリンダウで開かれた世界宗教家平和会議で、朝鮮宗教家平和会議のカン・ジヨン委員長などに会い、1週間にわたり三度の食事を共にしました」。イ総務は「その時、私たちは北側の体制安定(が優先だという点)に深く共感すると強調したが、(北朝鮮が)民間交流を制限することは望ましくないとの意見も伝えた」として、「交流が断絶すれば、韓国の市民社会(の民心)が離反する可能性があることを知らせた」と伝えた。

 イ総務はさらに、朝鮮戦争70周年を聖年と定め、戦争がなく平和共存する朝鮮半島を作るために、米国でさまざまな行事を繰り広げる計画も明らかにした。聖年はキリスト教で「解放された年」を意味する。

 そのために教会協は6月19日に米国のワシントンDCで黒人人権運動家マーティン・ルーサー・キング牧師の意を賛える行進に参加し、韓米教会協議会を開き朝鮮半島平和のための努力を促し、6月23日にはワシントンDCの聖マガ教会で老斤里(ノグンリ)平和財団と和解の礼拝を上げ、続いて同日午後には米国上院で「朝鮮半島平和フォーラム」を開き、朝鮮半島の平和仲裁者の役割を要請する計画だ。また米国ボルチモアで開かれる全米長老教会総会に、北側の朝鮮キリスト教連盟(朝基連)を招請した。

 イ総務は「2018年にも米国アトランタで開かれたメソジスト総会で、北側の朝基連を招請するためにビザの発給を受けるために名簿まで提出したが、米国務省の拒否で実現しなかった。だが、今年は国務省の壁を越えるために、米国の教会と積極的に協力する」として「6・25週間」行事に参加してほしいとの招請の意志を北側に伝えたと明らかにした。

 彼は「韓国に駐留している国連司令部が、冷戦を維持するための軍隊でなく、朝鮮半島の平和のための平和維持軍にならなければならない」として、教会レベルの努力を継続する意向を明らかにした。

 教会協は、国家暴力による被害の問題の解決にも乗り出すことにした。まず朝鮮戦争勃発初期に起きた大田(テジョン)山内のコルリョン谷民間人集団虐殺事件を知らせる計画だ。イ総務は「昨年から関心を持って調べたコルリョン谷は、左翼と保導連盟の関連者が虐殺されたところで、『世界で最も長い墓』と呼ばれているが、これまで遺骸の発掘が全くなされていない」と説明した。彼は「今後、社会的和解のプロセスを準備する」と付け加えた。

 また、今年40周年をむかえた「5・18光州(クァンジュ)民衆抗争」と関連して、今年5月9日に光州でこれまでの宗教界の研究作業の成果を発表し、キリスト教団体らと共に「5・18平和行動」も展開する計画だ。

 イ総務は「教会協の言論委員会を中心に“フェィクニュース検証センター”を発足させ、4月の総選挙など政治日程が進められる過程でフェイクニュースを大量生産する勢力を確認し、公論化する作業にも乗り出す」と話した。

 2024年の「韓国教会協(NCCK)設立100周年」を控え、記念事業の一環で全20巻の『韓国キリスト教社会運動史』を出す作業も進行中だ。最近、解放以前の史料を盛り込んだ第1巻が発刊された。

 2017年11月から教会協第12代総務を務めることになったイ牧師は、就任の辞で「教会内では『教会の一致と更新と変革』を、外では『民族共同体の治癒と和解と平和』という二つの十字架を背負う」と誓った。1956年にソウルで生まれた彼は、ソウル大師範学部を卒業し、入隊した1980年に光州歩兵学校で学軍団(ROTC、学生軍事教育団)の将校教育中に「5・18」を体験し、その後に非武装地帯(DMZ)東海岸警備司令部で服務した。平壌神学校・ソウル神学大学・神戸神学校を出て、長老であった父方の祖父と三千浦(サムチョンポ)聖潔教会の初代牧師だった母方の祖父の影響で、長老会神学大学院と英国留学を経て牧師の道を歩んだ。大韓キリスト教長老会の総会企画局長、アジアキリスト教協議会局長、韓一長神大教授、大韓キリスト教長老会の総会事務総長などを歴任した。

チョ・ヒョン宗教専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/religious/925473.html韓国語原文入力:2020-01-22 20:38
訳J.S

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