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[社説]傲慢きわまりないハリス大使の「主権侵害」発言

登録:2020-01-18 06:41 修正:2020-01-18 08:14
ハリー・ハリス駐韓米国大使が去年4月22日、米国大使官邸で記者懇談会を開いて韓米関係の懸案について話している=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 ハリー・ハリス駐韓米国大使が16日、「韓国が制裁を触発する可能性がある誤解を避けるためには、南北協力のためのいかなる計画も、米国との作業部会を通じて協議した方がいいと思う」と語った。政府が推進している「北朝鮮個別観光」に面と向かって待ったをかけた発言だ。政府は即刻、「対北朝鮮政策は大韓民国の主権に該当する」とハリス大使の発言に反論したが、今後、南北協力事業推進に米国が干渉に出る可能性が大きいだけに、より一層明確な対応が要求される。

 北朝鮮個別観光は南北協力を通じた朝米対話促進の中心案の一つで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が年頭記者会見で意欲的に提示した事業だ。個別観光は国際制裁に抵触せず、米国の承認も必要ない。個別観光を推進する過程で米国に説明して理解を求めることはできるが、基本的に米国がああしろこうしろと言う事案ではない。米政府でもない駐在国大使が「制裁」という敏感な単語まで使ってこの問題に割り込むのは内政干渉だという批判を自ら招くことだ。ハリス大使は越権的で傲慢な発言について韓国国民に謝罪すべきだ。

 ハリス大使は今回の発言以外にも、何回も度を越える言動で韓国政府と国民の反発を呼んだことがある。去年、韓日GSOMIA(軍事情報包括保護協定)問題が外交争点になった時、一方的に日本政府を肩を持つ発言で物議をかもした。イ・ヘフン国会情報委員長を大使公邸に呼び、「防衛費分担金50億ドル」を出すよう圧迫もした。与野党議員と会った席で文在寅大統領が「従北左派」に取り囲まれているのかという荒唐無稽な質問をしたりもした。そのため、大使としての資格を疑わせるという厳しい批判を受けたが、今回はまた韓国政府の独自の対北朝鮮政策を問題視する発言をした。

 ハリス大使の発言が米政府との協議中に出てきたものなら問題はさらに大きい。米国は表では韓国政府の南北協力努力に直接は反対していない。しかし、過去には韓米外交チャンネルを通じて金剛山(クムガンサン)観光再開にブレーキをかけた前歴があり、今回もそのようなことが繰り返されないという根拠はない。政府は南北関係の改善が朝米対話を促進することができるという点を米国に理解させると同時に、南北協力事業を揺らぐことなく推進しなければならない。特に私たちの主権に関連する問題には、米国が過度に介入することができないよう、はっきりと線を引かなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/924861.html韓国語原文入力:2020-01-18 02:32
訳M.S

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