イ・スヒョク駐米大使は21日(現地時間)、南北協力事業の鉄道の連結について、早急に推進すべきと強調した。政府は鉄道連結事業のための精密調査に投入される機器や物品のリストの作成などの準備作業をしているという。
イ大使はこの日、ワシントンの韓国文化院で開いた特派員懇談会で「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が南北協力事業としていくつか言及されたが、最も時間がかかるため早急に進めなければならず、かつやる価値のあるものは、南北鉄道連結事業だと考えている」と述べた。
文大統領は今月14日の年頭記者会見で、開城(ケソン)工業団地と金剛山観光の再開、南北鉄道・道路連結事業、東京五輪の共同入場・単一チーム結成などの南北協力案を提示した。さらに統一部は今月20日、北朝鮮地域の個別観光の具体案を公開し、実現に向けて弾みをつける姿勢を見せている。イ大使の発言は、政府が観光のほかにも、中断している南北鉄道連結事業に積極的に取り組む計画という意味と解釈される。
南北鉄道・道路連結および現代化事業は、2018年11~12月に共同調査と着工式が行われて以降、南北および朝米関係が膠着し中断している。統一部のイ・サンミン報道官は22日の定例ブリーフィングで「今は追加調査が必要な状況だ。内部的に実務準備を続けている」と述べた。政府は、精密調査にはさらに多くの機器と物品が必要とみて、具体的な項目のリスト作成などを行っているという。
イ大使が鉄道連結事業を「早急に進めるべき」としたのは、精密調査に少なくとも1年半以上かかるため、今から準備を急ぐべきという意味と解釈される。精密調査を行い、朝米非核化交渉に進展が見られれば、鉄道連結に本格的に着手する時期を繰り上げることができるということも考慮したとみられる。ただし、北朝鮮は2018年の共同調査以降、鉄道連結事業に進展がなかったことに不満を示してきたという見方もあり、精密調査の推進に北朝鮮が積極的に応じるかは見極める必要があると思われる。
一方、イ大使は韓米防衛費分担交渉に関して「両国代表団は2月までには目途がつくのではないかというタイムテーブルを持って交渉を進めている」と述べた。