硬直した南北関係の改善に“呼び水”の役割を果たしてきたアリスポーツカップ国際ユースサッカー大会が、ついに中止となった。
江原道は17日、「今月26日から31日まで中国の昆明で開く予定だった第6回アリスポーツカップ大会が、北朝鮮の不参加の通知で中止となった。大会を主催する南北体育交流協会に、北朝鮮側が内部事情により大会に選手を派遣できないと伝えてきたため、話し合いの末、今年は大会を開かないことに決めた」と明らかにした。
アリスポーツカップ大会は、当初今年5月に元山(ウォンサン)で開かれる予定だったが、北朝鮮側の事情で11月に平壌(ピョンヤン)に場所と時期を変更している。さらに南北関係の硬直が長引くと、再び12月に中国の昆明で開催することにして大会を延期した状態だった。
アリスポーツカップ大会は15歳以下のユースサッカー大会で、韓国・北朝鮮・中国各2チーム、タイ・ウクライナ各1チームなど5カ国8チームと、非公式の南北女子サッカーチーム2チームなど計10チームが参加する予定だった。江原道では中高生で構成された2つのサッカーチームと江原道の関係者などが参加することになっていた。江原道教育庁からも、学生記者団や応援団、引率者など90人余りが出国を待っていた。
この大会は南北体育交流協会、江原道、京畿道漣川郡(ヨンチョングン)、北朝鮮が2014年第1回京畿道漣川大会を皮切りに、2015年に第2回平壌大会、2017年に第3回中国昆明大会、2018年に第4回平壌大会を相次いで開くなど、南北関係の硬直局面の中でも緊張状態を緩和するのに決定的な役割を果たした。特に第3回大会ではチェ・ムンスン江原道知事が北朝鮮のムン・ウン425体育団長に会い、平昌五輪参加を要請するなど、北朝鮮の五輪参加の橋渡しをした大会という評価を受けている。
江原道の関係者は、「これまで南北の硬直局面の中でも南北の青少年間のスポーツ交流が続いてきたが、今年は大会自体が中止となり残念だ。来年は大会が正常に開催されることを願う」と語った。