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[社説]「金正恩弔意文」の翌日に東海に飛翔体を発射した北朝鮮

登録:2019-11-01 06:50 修正:2019-11-01 08:36
北朝鮮が10月2日、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「北極星-3型」の発射実験を成功的に行たったと、「朝鮮中央通信」が3日付で報道した。写真は「朝鮮中央通信」のホームページに公開された「北極星-3型」発射の様子=資料写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が31日、東海方向に飛翔体を2発発射した。10月2日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)北極星-3型を発射してから29日後のことであり、今年に入り12回目の短距離飛翔体発射だ。10月初めにスウェーデンで開催された朝米実務会談が決裂してから、韓国にはいわゆる「対米従属脱皮」を、米国には「新しい方法」を促す武力示威にまた出たものと見られる。国際社会の憂慮にもかかわらず、ミサイル発射を続けて緊張を高める古い態度には、深く憂慮せざるを得ない。

 今回の発射は、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が母親の葬儀を執り行った文在寅(ムン・ジェイン)大統領に弔意文を送ったその翌日に行われた。金委員長が30日に弔意文を送ったという事実が知られ、今後、行き詰まった南北関係が復活するだろうかとの期待感があったが、それに続く飛翔体発射で、状況が厳しいという事実を今更悟ることになった。金委員長の弔意は人間的礼儀のレベルで行われた事で、北朝鮮は今後「私の行く道に行く」という意思を明確に示したと見ることができる。

 朝鮮半島情勢はますます深刻になる様相である。北朝鮮は先日、キム・ゲグァン前外務省第1副首相とキム・ヨンチョル前統一戦線部長を相次いで前面に出し、米国に「時間かせぎで無難に乗り越えらえると思うのなら、それは愚かな妄想」だと圧迫した。また最近は韓国に対して「金剛山(クムガンサン)にある南側の施設物を撤去せよ」と一方的に知らせた後、「会って論議しよう」という韓国側の提案にも「その必要はない」とし、文書で協議することに固執した。このような状況で飛翔体2発を射つ軍事的威力示威を行なったのは、軽く見られる事ではない。韓国政府は現状況を冷徹に認識して対応して行かなければならない。

 このようなごり押しが解決手法にはなり得ないという事実を、北朝鮮が知るよう願う。韓国と米国が武力示威に屈服するはずはないが、軍事的対立と葛藤の深化は、朝鮮半島情勢をさらに不安定にするだけである。北朝鮮は今すぐ対話と交渉の場に出ることを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/915381.html韓国語原文入力:2019-11-01 02:09
訳M.S

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