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「恥も歴史の一部だ」…日帝収奪の象徴、「朝鮮殖産銀行」忠州支店活用へ

登録:2019-12-17 02:44 修正:2019-12-17 07:51
朝鮮殖産銀行の忠州支店として使われていた建物の全景//ハンギョレ新聞社

 日本の侵略と収奪の正当化という批判にさらされた旧朝鮮殖産銀行忠州(チュンジュ)支店の建物が、市民の空間である近代文化展示館に様変わりする。朝鮮殖産銀行忠州支店は、1933年12月に忠州市官衙4キル(クァナサキル)(城内洞(ソンネドン))の現在地に建てられた。朝鮮総督府が主導した農工・産業政策特殊銀行である朝鮮殖産銀行は、東洋拓殖株式会社とともに日帝の代表的な収奪機関だった。

 忠州市議会行政福祉委員会は16日、旧朝鮮殖産銀行忠州支店の補修工事予算(3億750万ウォン、約2870万円)を採決し、賛成5、反対3、棄権1で可決した。予算案の審議・採決に先立って行われた討論では、「復元して活用する価値がある」という主張と、「近隣の忠州邑城復元と合わない」などの主張が対立した。

 これによって忠州市は、来年から国費6億1500万ウォン(約5740万円)を含めた予算12億3千万ウォン(約1億1500万円)を投じて旧朝鮮殖産銀行忠州支店(375平米)を修復し、近代の遺物や写真、記録などを展示する近代文化展示館として活用する予定だ。

朝鮮殖産銀行忠州支店の昔の写真//ハンギョレ新聞社

 旧朝鮮殖産銀行忠州支店は、忠清北道北部、江原道南部圏までを管轄し、戦争軍需資金の供給源の役割を果たした。そのため世論は復元と撤去に二分されたが、1930年代の日本の金融機関の木造様式の典型でありながらも外観は西洋式を加味した独特な形などを理由に、文化財庁は2017年5月29日に登録文化財683号に指定した。

 忠州市は2015年11月に7億ウォン(約6530万円)を投じて旧朝鮮殖産銀行忠州支店を購入したが、以後も撤去か復元かをめぐって議論が絶えなかった。朝鮮殖産銀行建物復元反対市民行動のチョン・ホンシク代表は、「朝鮮殖産銀行は日帝支配、侵略、収奪の象徴であり、復元ではなく清算されるべき過去だ。建物の状態も非常に良くないため、復元するにも問題がある。撤去すべきだ」と主張した。しかし、忠州市文化芸術課のハム・ジェゴンチーム長は、「恥ずべき過去も歴史の一部だ。過去を忘れないようにするため復元し、市民の空間として活用したい」と述べた。

オ・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/chungcheong/920997.html韓国語原文入力:2019-12-16 15:59
訳D.K

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