性的マイノリティに対する差別と偏見に対抗し、嫌悪の烙印を消すために研究者が結集した。ジェンダーとセクシュアリティに注目する教育学・法学・保健学・社会福祉・社会学・神学・哲学などの分野の専門家18人が集まった韓国性的マイノリティ研究会(以下研究会)だ。研究会は10日、ソウル麻浦区(マポグ)の創批西橋ビルで記者懇談会を開いて団体の設立を宣言し、初の公式の成果である『虹はより多くの色を求める』(創批)を紹介した。この日の行事にはザアカイ神父(大韓聖公会龍山分かち合いの家、司祭)、ホン・ソンス教授(淑明女子大学法学部)、パク・ハンヒ弁護士(公益人権弁護士会「希望を作る法」)、チェ・フン教授(江原大学自由専攻学部、哲学)が出席した。
彼らが韓国社会において「酷い嫌悪」の標的である性的マイノリティをテーマに集まったのは、積極的な対応が急がれるという認識からだった。ホン教授は「性的マイノリティについて不正確な情報がインターネット上にあふれているだけでなく、専門家までもがこれに同調しており、深刻な状況だ」と切り出した。ホン教授をはじめとする学者・活動家10人は、2016年に性的マイノリティ研究会準備委員会を結成し、『嫌悪の時代に立ち向かう性的マイノリティに対する12の質問』という小冊子を出した。ホン教授は「100ページの小さな冊子だったが、思ったより多くの反響があった。学術情報に飢えている人が多いことが分かり、今回はより多様な人々との話を集め、学術的でありつつも大衆性を担保する『虹…』を出版することになった」と説明した。
『虹…』は、男/女という性別二分法を超えて性アイデンティティの多様性を説明し、性的マイノリティについて誤って認識されている事実についてファクトチェックを行っている。トランスジェンダーに必要な医療的措置のような実務的情報やアドバイスも収録されている。何よりもこの本は、性的マイノリティへの反感を暴力的に表出する人々に対抗するための武器だ。
ザアカイ神父は「極右的なプロテスタント福音主義、カトリックの主流は、十字架の下で神の名前をもって性的マイノリティを嫌悪し差別する。彼らには光と闇、善と悪の二分法だけがある。中世教会の魔女裁判と変わらない」と批判した。そして、「教会や聖堂で教会指導者が性的マイノリティに対する嫌悪と差別、排除を教えたり、洗練された方法で浸透させたりすると、それによって誰が利益を得るのか、問い続けなければならない」と強調した。チェ教授は、「性的マイノリティから何の被害も受けていないにもかかわらず、 『ただ嫌いだ』と露骨に言う人が多い。こうした人々と話し合えるような対応論理を確立することが重要だ」と指摘した。彼は誤りかどうか立証されていない問題を当然のように前提として話すことの誤り、性的マイノリティを賛否の対象として問うことの誤り、同性愛が自然の摂理に反するという主張の誤りなどを具体的に指摘した。性的マイノリティが法的に認められることも重要だ。パク弁護士は「政治家は性的マイノリティに対する差別には反対するが、同性婚はまだ時期尚早だと言っている。しかし、同性婚を禁止すること自体が差別だ。自分が認識する性別のアイデンティティを消し去ってしまう法や制度を問うべきだ」と述べた。
ホン教授は「来年1月に公式に学会発足を宣言する行事を皮切りに、性的マイノリティを研究する若い学者たちを支援する交流の場を作る計画」と述べた。