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「人権講義」必須科目化撤回したら…延世大卒業生・在学生の反発拡大

登録:2019-09-26 02:30 修正:2019-09-26 09:25
延世大学卒業生、キム・ヨンハク総長に書簡 
「特定宗教団体の一部の声が延世精神毀損」 
「延世の教育哲学、信念を持って守れ」 

延世大学、2017年に国家人権委と「人権教育」協約締結も
延世大学キャンパスの随所に掲げられた大学を糾弾する横断幕。「延世精神と人権」必修科目化撤回を糾弾する卒業生たちの名で制作された//ハンギョレ新聞社

 延世大学が、来年からの新入生への必修科目化を進めてきた人権についての講義を保守・プロテスタント系キリスト教勢力の抗議によって「選択科目」に変えたことに対して、延世大卒業生・在学生を中心に反発が広がっている。延世大学は当初、一部の抗議にもかかわらずこの講義を予定通り進めることにしていたが、今月19日になって大学のホームページに「教養科目の運営体系を議論する『学事制度運営委員会』を経て、2020学年度から『延世精神と人権』を選択教養科目として運営することとした」と、立場を覆した。

 25日、延世大学・大学院の卒業生らは、人権講義の必修課目化撤回を糾弾する横断幕を掲げて抗議の意思を表明した。彼らは、同大のキム・ヨンハク総長、同大グローバル社会貢献院の潘基文(パン・ギムン)名誉院長、同大の学事行政職員にそれぞれ懸念を表明する書簡を送る運動も進めている。13週にわたって進められる「延世精神と人権」は、人権・社会正義・ジェンダー・児童・障害・労働・環境・難民などのテーマからなる。今学期もオンライン講義で試験的に運営されており、2020年から新入生の必須科目とする計画だった。「ジェンダー」「難民」が含まれた人権講義の必須科目化のニュースが伝わると、一部の保守・プロテスタント系キリスト教勢力が延世大学の正門前で、「分別なき人権教育が正しい性文化を崩壊させ、同性愛擁護を助長する」として反対集会を続けてきた。

 卒業生はキム・ヨンハク総長に対し、「最近、カリキュラムに入った『人権とジェンダー(性平等)』『人権と難民』という科目の開設に反対する特定宗教集団の一部構成員の声が、自由な学問の追求が保護されるべきキャンパス内部にまで響きわたり、延世精神を深刻に傷つけている」とし、「深い屈辱を感じるのみならず、憂慮を禁じえない」と明かした。彼らは「普遍的な人権の価値と平等そのものを否定する主張は、自由民主主義社会で看過できないもの」とし、「『人権とジェンダー』『人権と難民』講座の開設を支持し、応援する」としている。また、潘名誉院長に対し「グローバルリーダーとして差異や違いを理解し包容すべき延世の在学生らが毎日登校する校門の前で、差別を助長する集団のデモが繰り返される現状は非常に懸念される」とし、「彼らの反知性的なあり方は延世大学の建学理念を冒涜しており、延世が守ってきた真理や自由の価値と背反する」と述べた。また、保守勢力から各種の抗議電話や苦情を受ける学事行政職員に対しては、「延世大学が教育共同体として『世界市民育成』という社会的責務を果たせるよう、延世の教育哲学を信念を持って守ってほしい」と要請した。

 在学生や市民の抗議も続いている。延世大学中央性的マイノリティーサークル「カムトゥゲザー」は、「私たちの人権は選択肢ではない」として、大学側の立場変更を糾弾する声明を発表した。彼らは「その授業はまだ4週目の講義しか公開されていないだけでなく、約束とは違い、受講生の意見を集約する空間すらまともに用意されていない」とし、「学校の立場変更は学校の構成員でない人たちの外圧による『政治的』結果にしか見えない」と批判した。彼らは大学側に「保守プロテスタント・ヘイト勢力との癒着疑惑を解明し、謝罪せよ」と要求してもいる。39の市民団体で作る「性的マイノリティー差別反対レインボー行動」は24日、「延世大学が今回のヘイト扇動に同調して下した決定は反憲法、反人権的なものであり、決して容認できない」として、決定の取り消しを求めた。オンラインのグーグル・ドキュメント上で進められている大学糾弾署名は現在2000人を超えている。

 延世大学は2017年12月に国家人権委員会と「人権教育・研究中心大学指定および人権増進」についての業務協約を締結しており、「人権関連新規課程の開設など、教育協力」を実施することとしていた。延世大学は、当時「来年(2018年)の春学期から『人権:思考から実践へ』という必須科目を開設して大学生たちの人権意識向上に努める一方、大学院生に向けたオンライン人権教育科目も設ける計画」と表明していた。またキム・ヨンハク総長も「延世大学は高等教育機関としての責務を果たすため、今後も様々な機関と相互協力し、韓国社会の人権意識向上のために努力する」と述べていた。

パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/910902.html韓国語原文入力: 2019-09-25 17:13
訳D.K

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