本文に移動

韓中外相、THAAD問題後初めてソウルで開かれた会談で「関係の完全正常化に共感」

登録:2019-12-05 01:10 修正:2019-12-05 07:25
習主席の訪韓や両国関係、朝鮮半島情勢について意見交換 
「朝米対話の進展のための両国協力」 
王部長、5日に文在寅大統領を表敬訪問する予定
カン・ギョンファ外交部長官(右)が今月4日午後、ソウル外交部庁舎で中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長と会談を始める前に握手を交わしている。王部長は2016年、THAAD配置をめぐる韓中対立以降、初めて訪韓した=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 王毅中国外交担当国務委員兼外交部長が、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備をめぐる対立以降初めて、4日に韓国を訪問し、韓中関係の回復案や朝鮮半島・北東アジア情勢などについて意見を交換した。韓中二国間外交レベルでは2014年5月以降5年7カ月ぶりの公式訪韓で、韓中関係がTHAAD事態の後遺症を克服し、回復する契機になるかに注目が集まっている。

 王部長は同日午後、ソウル外交部庁舎でカン・ギョンファ外交部長官と予定時間を超えた2時間20分にわたって会談を行った後、晩餐も共にし、両国関係と朝鮮半島情勢など懸案について幅広く話し合った。外交通商部の関係者は、「今日の協議で両国関係を完全に正常化すべきだということで共感した」と伝えた。5日には、王部長が大統領府を訪れ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を表敬訪問する。韓国の前・現職国会議員や企業家、ジャーナリストらとの昼食会も予定されている。

 王部長の今回の訪韓で最も大きな関心事となっているのは、中国の習近平国家主席の訪韓日程が確定するかどうかだ。文在寅大統領が2017年12月に中国を訪問してから2年が経ったが、習主席は朴槿恵(パク・クネ)政権当時の2014年7月の訪韓を最後に韓国を訪れていない。王部長は同日、習主席の訪韓について尋ねる記者団の質問に対し、「隣国として高官級交流を強化し、(その問題について)引き続き協議していく」と答えた。習主席が来年3月ごろ予定された日本訪問に先立って訪韓する可能性も取りざたされている。

 これに先立ち、今月末、中国四川省成都で開かれる予定の韓中日3カ国首脳会議を機に、文在寅大統領と習近平主席が会う可能性もある。韓中日首脳会議には中国側から李克強首相が出席するが、文大統領が北京で習主席と会談し、成都に向かう案も検討されている。習主席の訪韓と両国首脳会談は、韓中関係改善の重要な試金石と言える。

 王部長の今回の訪韓は、米中の覇権争いが激化する中、中国内部でも「周辺外交」を強化すべきとの声が高まっている状況で行われた。THAADをめぐる対立以降、中国の「限韓令」で中国人による韓国団体観光や対中文化交流などの制限を受けている状況にも変化が予想される。このほか、朝米交渉が膠着状態に陥り、北朝鮮が「新たな道」を予告した状況で、朝鮮半島情勢に対する韓中間の戦略的協力の強化も同日の会談で緊密に話し合われた。外交部当局者は、「現在の朝鮮半島情勢について認識を共有した」とし、「北朝鮮の核保有を容認できず、朝鮮半島の平和を維持しなければならないという共通の認識のもと、朝米対話が着実に進展できるよう両国が協力していくことで意見の一致を見た」と強調した。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/919650.html韓国語原文入力:2019-12-04 22:52
訳H.J

関連記事