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[社説]「ミサイルを配備すれば禍招く」中国大使の発言は無礼だ

登録:2019-11-29 06:27 修正:2019-11-29 07:46
邱国洪駐韓中国大使が28日午前、ソウル汝矣島の国会議員会館で開かれた「大韓民国未来革新フォーラム」講演会で「韓中関係の今日と明日」をテーマに講演している//ハンギョレ新聞社

 邱国洪・駐韓中国大使が28日、国会での講演で「米国が韓国本土に中国を狙う戦略的兵器を配備すれば、いかなる禍を招くかは、皆さんも想像することができるだろう」と語ったという。「中距離核戦力(INF)条約から脱退した米国が、韓国に中距離ミサイルの配備を要求する可能性が高い」という参加議員の発言に対して返答する形式だったというが、外交使節が駐在国でこのような形の脅迫性発言をしても良いものなのか。この上なく不快だ。

 米国がINF条約破棄以後、中国を狙って北東アジアに中距離ミサイル配備を推進する可能性に中国が警戒心を持つのは理解できる。中国はすでに何回も「米国のミサイルのアジア配備に反対する」との意思を強く表明した。しかし、駐韓中国大使が韓国の国会議員の前で遠慮なく報復措置を意味する「禍」を云々して脅すのは全く別の問題だ。しかも、米国のミサイル配備はまだ韓米間で具体化していない未来の事案ではないか。

 中国は2017年の在韓米軍による朝鮮半島への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備以降、韓国を狙って様々な経済報復を行っている。邱大使が述べた「皆さんも想像することができる禍」というのが、このような形の稚拙な報復を示すことは、十分に察することができる。邱大使は「韓国政府は十分に政治的知恵を持っているので、うまく対応できると信じる」とも述べた。外交官が駐在国を相手に「脅して慰める」発言をするのを韓国国民がどう見るのか。いくら自国の「安保上の憂慮」が重要であるとしても、その問題を周辺国に伝達して理解を求める方式には、守らなければならない外交規範があり、越えてはならない線があるものだ。

 中国の王毅外交部長が12月4日、THAAD配備後初めて韓国を訪問する予定だ。もうTHAAD対立を止めて関係改善を成し遂げようとの意味だろう。このような時期に邱国洪大使の高圧的な発言は韓中関係の改善には全く助けにならないことを心に刻んでほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/918918.html韓国語原文入力:2019-11-29 02:38
訳M.S

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