文在寅(ムン・ジェイン)大統領が釜山(プサン)で25日開幕した第3回韓-ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議を機に、マレーシアやフィリピン・カンボジアなどと二国間自由貿易協定(FTA)のネットワークの拡大に乗り出すと述べた。
文大統領は同日午前、釜山のベクスコで、ASEANの経済界関係者約500人が出席した中で開かれた「韓-ASEAN CEOサミット」の開幕式の基調演説で、「我々は『東アジア地域包括的経済連携(RCEP)』の協定文に合意し、『東アジア貿易ネットワーク』時代を予告している」と述べた。超大型貿易協定を志向するRCEPは今月4日、ASEANや韓国、中国、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど15カ国がタイのバンコクで開かれたASEAN+3(韓中日)首脳会議で、インドを除いて妥結を宣言した。
文大統領は同日、「韓国はIT強国に跳躍し、世界初の5G(5世代)の商用化と最新半導体・携帯電話技術で先端産業分野のノウハウを備えている」とし、「無限の発展可能性があり、平均年齢29歳という若いASEANにとって、韓国は信頼できる最適のパートナーと言える」と述べた。文大統領の発言は、地域の覇権を追求する中国と経済強国の日本の間に挟まれたASEAN諸国にとって、韓国との協力がもう一つの代案になり得ることを強調したものと言える。
実際、韓国の対ASEAN貿易規模は2000年の383億ドルから2018年には1598億ドルに増え、貿易の比重も同期間11.5%から14%に高まった。韓国にとって、ASEANは中国(23.6%)に次ぐ二番目に大きな交易対象だ。ASEANの昨年の全体貿易における韓国の比重も5.7%で、中国(17.2%)や欧州連合(10.2%)、米国(9.3%)、日本(8.2%)に次ぐ第5位を記録した。
文大統領はASEANとの協力方案として、ベトナム科学技術研究所(V-KIST)、ミャンマー開発研究院(MDI)のような教育研究機関の設立支援▽共生繁栄と革新成長への協力▽ASEANインフラ建設支援などを提示した。産業通商資源部のソン・ユンモ長官はブリーフィングで、「米中貿易紛争や日本の輸出規制など、多国間主義を中心とした通商秩序が揺らいでいる」としたうえで、「韓国とASEANがRCEPを通じて新しい(世界)貿易摩擦の中でも自由貿易と多国間主義に対する活動の幅を広げている」と意味づけした。
文大統領は同日、タイのプラユット・チャンオチャ首相やインドネシアのジョコ・ウィドド大統領、フィリピンのロドリゴ ・ドゥテルテ大統領と首脳会談を行った。