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科学高>外高>自私高>一般高…学総で明らかになった高校序列化

登録:2019-11-06 06:39 修正:2019-11-06 13:58
教育部、13大学の学総を実態調査 
 
学校類型別に見た全生徒に対する合格者 
科学高>外国語高・国際高>自律型私立高>一般高 
特定の種類の高校のための特技者選考も 
「高校等級制によるものかどうかは追加確認が必要」
全国の高3生徒数に対する学総合格者の割合//ハンギョレ新聞社

 学生簿総合選考(学総)(内申点や学校の生活記録全般を総合的に評価して生徒を選抜する入試方法。学生簿は学生生活記録簿の略で、高校在学中の活動を記録する資料)でも英才高校・科学高校、外国語高校(外語高)・国際高校、自律型私立高校(自私高)、一般高校の順序に序列化された「高校序列化」が深く根付いていることが明らかになった。多様な人材を選ぶという趣旨で導入された学総も、他の選考と同様に、韓国の教育制度に固定化された高校序列化がそのまま反映されており、制度導入の趣旨を十分に活かすことができていないという指摘があがっている。

 5日に教育部が発表した「13大学学総実態調査結果」によると、2016~2019年の4年間に13大学(建国大学・慶煕大学・高麗大学・光云大学・東国大学・西江大学・ソウル大学・成均館大学・延世大学・春川教育大学・浦項工科大学・韓国教員大学・弘益大学)に学総で合格した一般高の生徒は、一般高の全生徒のうち2.1%にしかならないことが明らかになった。一方、自私高の生徒は全体の8.9%、外語高と国際高の生徒は全体の23.2%、科学高・英才高の生徒は全体の70%がこれらの大学の合格した。13大学に学総で志願した生徒の合格率は、一般高9.1%、自私高10.2%、外語高・国際高13.9%、科学高・英才高26.1%だった。特に13大学の4年間の高校類型別の平均内申等級は、一般高、自私高、外語高・国際高、科学高の順序であり、この順序は志願段階から最終合格まで一貫して維持された。内申等級が高い一般高の生徒と内申等級が低い科学高の生徒が一緒に競争する構造が固定化されたのである。ただし、序列化された高校体制により、いわゆる「上位圏」の大学に合格する割合が変わる現象は、修能(大学修学能力試験)を含む他の選考でも等しく現れた。

 大学入学試験の公正性を改善するという観点で実施された今回の学総実態調査では、一部の大学が事実上、特定の類型の高校のために特技者選考を運営してきたという事実をはじめ、自己紹介文・推薦書・学生簿への「記載禁止」事項違反、便法記載(明確に記載は禁じられてはいないが脱法的な内容を記載すること)などの実態が明らかになった。「記載禁止」違反に対して大学が特別な措置をとらなかったり、学総の評価を不十分に運営してきた実態も明らかになった。ただし、これまで提起されてきた「高校等級制(高校に成績順で評価を付ける制度)」実施または「金の匙」(経済的・社会的背景のいい家庭の子ども)選考疑惑について、明白に明らかにすることはできなかった。パク・ベクボム教育部次官は、この日の定例会見で、「学総で志願から書類選考、評価、合格の時まで高校序列化が固定している証拠は明白だ。しかし『高校等級制』による結果なのか、評価によって自然に出た結果なのかは判明させることができず、これを追加して確認せねばならない」と明らかにした。教育部は対象の大学に追加調査および特定監査を実施し、学総制度を改善すると明らかにした。

 何より今回の学総実態調査結果が「学総改善案」の根拠を越えて、政府が最近力を注いでいる「定時選考(一定時期に行う入試の結果を中心に入学生を選好する方式)拡大」の根拠にも使われるかが鍵である。これまで政府は、学総の割合が高いソウル地域の大学を対象に定時の比率の下限を30%以上にまで拡大することを勧告しており、学総実態調査がその根拠になるとの態度を取ってきた。しかし結果を見ると、「定時拡大」が果たして学総の問題点を解決する方法なのか議論になると予想される。固定化された高校序列化がより根本的な問題点であるとの指摘も出ている。

 ユ・ウンヘ社会福首相兼教育部長官は、この日の国会予算決算特別委員会の全体会議に出席して、「学総に対する不信感が高い状況では、学総の公正性を高めることにまず集中し、学総で選抜する割合が高いソウルの一部大学に対しては、必然的に定時の比率を上方修正する必要がある(と判断した)」と語った。

チェ・ウォンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/915931.html韓国語原文入力:2019-11-06 02:08
訳M.S

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