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ソウル大合格者の半数をソウルのエリート校が独占

登録:2016-03-17 01:07 修正:2016-03-17 16:29
現政権が導入した内申書総合選考が格差広げる

 今年のソウル大学の入試で、特殊目的高校(特目高)、自律型私立高校(自私高)、江南3区の一般高校が合格者を独占する偏った現象が深刻化したことが分かった。2013年度ソウル大学合格者の42.0%を占めていたこれらの学校出身の生徒の割合は、2016年度入試では49.1%に増え、ほぼ半分に達した。

 特に朴槿恵(パククネ)政権が「学生の夢と才能を育て、学校教育を正常化する」として導入した内申書総合選考が、このような独占現象を制御できず、むしろ特定の学校に有利に働いていると指摘されている。教科の成績、非教科活動、自己紹介書、面接、修学能力試験の成績などのすべての要素で優秀な成績を求める現在の入試制度が、親や出身学校、塾などの支援なしに、学生個人の努力だけでは備えることが難しい構造であるためと分析される。

特目高・自私高・江南地域の高校出身 
合格者の割合49%に増加 

現政権が導入した「内申書総合選考」 
逆に偏りの深化を促す 

「教科、非教科すべて優秀であるべき 
親の支援や私教育が大きな役割」

ソウル大学合格者のうち特殊目的高校、自立型私立高校、江南3区の一般高校の割合(資料:キム・テニョン議員室「2013~2016学年度ソウル大学合格者の現況」<最終入学者基準>)//ハンギョレ新聞社

 16日、国会教育文化体育観光委員会に所属する「共に民主党」のキム・テニョン議員が元進学指導教師協議会のキム・ドンチュン共同代表(現大田大成女子中学教師)に依頼して分析した「2013〜2016年度ソウル大学合格者の現状(最終入学者基準)」によると、特目高(科学高校、英才学校、外国語高校、国際高校)と自私高(全国単位、広域単位を含む)の割合が、2013年度の32.9%から2016年度には40.9%に増えた。一般高校(自律型公立高校を含む)の割合は、同期間に60.3%から51.9%に減少した。芸術体育高校や特性化高校などその他の高校が7.2%だった。 「私教育特区」と呼ばれ、特目高や自私高に劣らない入試実績をあげてきた江南3区の一般高校の割合は、同じ期間9.1%から8.1%に、他の一般高校に比べて小幅の下落にとどまった。随時募集においては、江南3区の一般高校が占める割合は6.5%から6.7%に小幅に増加した。一般的に特目高、自私高、江南3区の一般高校は入学自体に親の社会経済的な支えが大きな影響を及ぼす学校と評価される。

 ソウル地域だけを見ると、特目高(32.3%)、自私高(22.2%)、江南3区一般高校(21.0%)出身の学生が占める割合は75.5%に達した。

 このように、特定の学校による合格者独占が激しくなり、ソウル大学合格者を1人以上排出した高校は、2016年度には824校にとどまった。全国の高等学校は2015年基準で1799校(職業教育をする特性化高校やマイスター高校は除く)に達する。

 韓国開発研究院(KDI)でソウル地域の特目高や江南3区による偏りの現象を研究(2012年「大学進学格差の拡大と機会公平性の向上方案」報告書)したことがある祥明大学のキム・ヨンチョル教授(金融経済学)は、「ソウル大学への進学において出身学校による格差がこれほど広がったのは憂慮すべきレベル」とし「上位大学をすべて合わせると、格差はさらに広がる可能性が高い」と予想した。キム教授は、「結局、このような格差のため、高校入試に向けた私教育の競争が小学校から繰り広げられている」とした上で、「入試政策が、社会的移動性の拡大と教育機会の公平性の向上という観点からして、後退しているものと見られる」と指摘した。

 専門家たちは、内申書総合選考が入試の中心となったことで、このような流れがより加速していると見ている。光州科学技術院のキム・ヒサム教授(基礎教育学部)は、「校内大会、読書、サークルなど比教科活動に注目し評価することで、親の社会経済的地位による文化資本の違いが反映され、階層的な偏りを強化する可能性がある」とした上で、「環境的な要因によって、学生の可能性が正当に評価されないことを防ぐためには、クォータ制の導入など、積極的な対策が必要だ」と述べた。

チン・ミョンソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-16 21:45

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/735362.html 訳H.J

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