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文大統領「金剛山施設の撤去、南北関係損なう恐れも」

登録:2019-10-26 00:38 修正:2019-10-26 07:43
文在寅大統領が今月25日午後、大統領府の緑地園で開かれた担当記者懇談会で挨拶の言葉を述べている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が25日、北朝鮮の金剛山(クムガンサン)施設撤去に関し、「南北関係を損なう恐れがある」として、遺憾の意を表明した。

 文大統領は同日、大統領府の緑地園で行った記者招請行事で、金剛山施設の撤去について「(韓国の)国民感情に反する可能性があり、そうした部分が南北関係を損ねかねない」とし、「観光自体は国連安全保障理事会の制裁(違反に)該当するわけではない」と述べた。さらに、「しかし、観光の見返りを北朝鮮に支給するのは制裁違反になる恐れがある」とし、「従来の観光方式は安保理制裁のため、続けることが困難な面がある」と述べ、国際社会の制裁の中で南北関係の改善を図る難しさについて語った。9・19平壌共同宣言文は「南と北は条件が整い次第、開城(ケソン)工業団地と金剛山観光事業を優先的に正常化する」と明記している。

 文大統領は、チョ・グク前法務部長官の後任人事は急がないが、検察改革は速度を上げると考えを示した。文大統領は「(法務部長官の人選は)急がないつもりだ」とし、「現在検察の改革措置が行われており、国会にファストトラックとして上がっている法案が立法されるかどうかも関心事だ。それらを見守りながら判断する。そこに他の変化要因を加える必要はないと思う」と述べた。そして、「今は法務部長官の人選以外に内閣改造は予定していない」と付け加えた。しかし、検察改革には「これまで一生懸命頑張ってきたし、ある程度土台は築いたと思う」とし、「(次期法務部長官が)決まるまでに国民が認めるくらいの成果を出すのが次の課題だと思う」とスピードを強調した。

 文大統領は同日、教育関係長官会議で発表された大学入試における定時募集の拡大方針に関しては、「国民の基準と物差しをより重要に考えるべきだ」と述べた。彼は「これまで我々が持つ教育哲学では、大学修学能力試験(大学共通の入学試験)で私教育費をたくさん支出するほど成績も上がっていい大学に行き、親から富を譲り受けるという仕組みを変えることが公正だった」としたうえで、「だからこそ、そこから脱却するために、個人の適性を尊重する多様な選考をするのが公正だと思われていたが、いまや受験生と保護者は学校生活簿総合選考(内申点や学校の生活記録全般を総合的に評価して生徒を選抜する入試方法)の公正性や透明性を信用できなくなり、むしろ点数で獲得する定時募集、修学能力試験がもっと公正だと思っている」と述べた。そして「公正に対する物差しや基準に違いがあることを感じている。国政(運営)は本当に難しい」と語った。

 文大統領は任期の半分を迎える所感については、「絶えず走ってきたが、本当にまだ道は遠い」とし、「働き口や所得分配がよくなる気配はあるが、国民皆が同意し、体感できるほどではない」と述べた。

 同日の行事には、内外信の記者240人が出席した。文大統領は「メディアは、立法・司法・行政部と共に国を動いていく“第4部”」だとしたうえで、「国を発展させることに(メディアが)多くの貢献をしており、これからも貢献しなければならない重大な役割と責任がある」と強調した。文大統領は「いろいろと厳しい状況にあるが、恐らく私ほど国民に愛された政治家はいないだろう」とし「記者たちによく伝えてもらい、国民から愛されたおかげで、今日ここまで来ることができた」と述べた。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/914657.html韓国語原文入力:2019-10-25 20:48
訳H.J

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