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国家気候環境会議「春季、石炭発電の半分を稼動停止すべき」

登録:2019-10-01 03:50 修正:2019-10-01 08:04
12~3月、高濃度の時「季節管理制」導入が柱 
5等級車両の運行制限・車両2部制を並行 
国内の粒子状物質排出量の20%削減が目標
国家気候環境会議の潘基文委員長が今年4月29日、ソウル太平路の韓国言論会館で開かれた粒子状物質問題の解決に向けた国家気候環境会議の発足式で挨拶をしている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 粒子状物質(PM2.5、PM10など)問題の解決のために設立された大統領直属の国家気候環境会議が、初の国民に対する政策提案を行った。粒子状物質汚染の激しい春季に石炭発電所の半分程度を停止し、生計用を除いた老朽化したディーゼル車の運行を制限しようという強力な対策だ。高濃度の時は車両2部制を並行して実施する。今回の案は130人あまりの専門家と500人の国民政策参加団が協力して作成した。

 30日、国家気候環境会議が公開した「第1次国民政策提案」は、粒子状物質の濃度が高まる12月から3月を「高濃度の粒子状物質季」に指定し、集中的な低減措置を実施すること(季節管理制)が骨子だ。高濃度の時は、石炭発電所の稼動を最大27基(全体の45%)停止し、排出ガス5等級の車両の運行を全面的に制限する強力な対策だ。これにより国内の粒子状物質の排出量を前年比で20%以上(2万3000トン)減らすという。「5年間で35.8%削減」という以前の目標よりも強力になっている。

 具体内容を見ると、国内の粒子状物質排出量の41%を占める産業界からは1万1993トンの粒子状物質を削減するのが目標だ。全国44カ所の国家産業団地をはじめとした事業所の密集地域に1000人以上の官民合同点検団を派遣し、不法排出行為を監視することにした。資本と技術力の劣悪な中小事業所には粒子状物質防止施設を設置し、各事業所の実情に合わせた技術支援団を派遣する。大型事業所は各業種の特性を考慮して削減計画を立案させ評価し、高濃度季には普段より厳しい排出許容基準を適用する。全国625の大型事業所に設置された煙突自動測定網(TMS)のデータも、計画より繰り上げて今年末からリアルタイムで公開する。

 国内の粒子状物質排出量の12%を占める石炭発電所は、3491トンを削減するのが目標だ。冬季の12~2月に9~14基、春季の3月に22~27基の稼動を停止する計画だ。残りの石炭発電所は出力を80%まで下げる。季節別、時間別に料金を変更する「季時別料金制」を強化するなど、需要管理政策も展開する。国家気候環境会議のアン・ビョンオク運営委員長はこの場合「10ギガワットの予備電力を確保した状態を前提としたもの」とし、「電気料金は4人世帯、4カ月間の月平均で1200ウォン(約110円)ほど引き上げられるだろう」と予想した。

 国内の粒子状物質排出量の29%を占める輸送分野では4087トンの削減が目標だ。首都圏と人口50万人以上の都市を対象に、生計用を除く排出ガス5等級の車両の運行を制限し、高濃度の週間予報が出た時には車両2部制を並行実施する。政府や公共機関が発注する100億ウォン以上の建設工事現場では、老朽化した建設機械の使用を制限し、船舶に対しては低硫黄燃料の使用を誘導するため、適切な費用の補填策などを設ける。ディーゼル乗用車は環境被害を考慮し、自動車税の軽減率にも差をつける。

 国内の粒子状物質排出量の18%を占める道路や建設の工事現場などでは3464トンを削減する。住民の生活と密接にかかわる道路は掃除の周期を長くし、スピードも制限する。住宅街近くの工事現場には粒子状物質測定器を設置してリアルタイムで公開し、農村では廃棄物の不法焼却を防ぐため回収・処理を支援するとともに、集中取り締まりを実施する。

 このほか、中国とは高濃度粒子状物質の予報、警報、情報を共有し、粒子状物質の削減に向けた実証事業を拡大する「韓中青空パートナーシップ」を構築する。中長期対策については、追加の公論化を経て来年までにまとめる計画だ。

 今回の国民政策提案は、この5カ月間に130人あまりの専門家と500人の国民政策参加団による討論と熟議を経て作成された。国家気候環境会議は、「粒子状物質によって苦痛と被害を被った国民が直接参加し、政策を立案した初の例」と強調した。

 国家気候環境会議の潘基文(パン・ギムン)委員長は「韓国の粒子状物質は経済協力開発機構(OECD)の最下位レベルで、まるで重病にかかった患者のような状況」とし、「過去にない果敢かつ大胆な処方が必要だ」と語った。

パク・キヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/911405.html韓国語原文入力: 2019-09-30 10:59
訳D.K

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