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ベルリンで響いたスローガン…「日本軍『慰安婦』は戦争性暴力」

登録:2019-08-26 08:24 修正:2019-08-26 11:24
チェ・ヘウォンのベルリン・ダイアリー
今月14日、ベルリンで開かれた日本軍「慰安婦」メモリアルデー集会=チェ・ヘウォン提供//ハンギョレ新聞社

 ドイツに来た翌年の冬、偶然、日本軍「慰安婦」問題について扱う国際行事を見つけた。その行事でドイツ市民団体「コリア協議会」が率いる日本軍「慰安婦」問題対策協議会(AG “Trostfrauen”)に初めて会った。その後、ドイツ社会に日本軍「慰安婦」問題を知らせる活動に参加するようになった。

 日本軍「慰安婦」問題対策協議会は、韓国、ドイツ、日本、コンゴなど様々な国からきたメンバーらが、女性の性暴力撤廃と戦争犯罪被害女性の人権と尊厳を回復するために様々な活動を繰り広げている。例えば、ドイツに「平和の少女像」の建立を推進、「慰安婦」問題解決に向けたドイツの議会決議案の採択などだ。協議会は、このような活動を通じて欧州社会に「慰安婦」問題が戦争性暴力問題であり、フェミサイド(Femicide、女性殺害)であるという点を広めている。

 故キム・ボクトンさんとキル・ウォンオクさんが戦時性暴力再発防止と被害者支援のために「ナビ(蝶)基金」を作ったのも同じ脈絡だ。これと関連してベルリンでは2017年5月、意味深い出会いが実現した。当時、キル・ウォンオクさんがドイツを訪問し、日本軍「慰安婦」問題を知らせる過程で「ナビ基金」をヤズディ教徒女性であるマルワ・アル・アリコさんに伝えたのだ。イスラム国家(IS)は2014年8月3日、少数民族であるヤジディ教徒らが住んでいるイラク北部のシンジャル地域を占領し、ジェノサイド(大量虐殺)とフェミサイドを犯した。これによって1万人を超えるヤズディ教徒が犠牲となり、7千人以上の女性と子どもが拉致された。いまも3千人が行方不明の状態だ。

2017年5月に出会ったキル・ウォンオクさんとヤズディ教徒女性のマルワさん=ヤズディ教徒世界組織提供//ハンギョレ新聞社

 キル・ウォンオクさんとヤズディ教徒女性のマルワさんの二人の女性は、今も戦場で身体的、性的に虐待される女性を助けるために闘っている互いの経験を分かち合った。13歳の時に日本軍によって拉致された93歳のおばあさんの話と、21歳の時にISのテロリストに連行されたマルワさんの話は、別々の話ではなかった。マルワさんはこの出会いの後、「出会い感謝し、加害者の処罰が行われ二度とこのようなことが起こらないよう、闘いを続ける」と語った。

毎年8月3日に開かれるヤズディ教徒の集会=チェ・ヘウォン提供//ハンギョレ新聞社

 この特別な出会いは一度では終わらなかった。ベルリンでは昨年から8月3~14日にかけて「戦争、性暴力とフェミサイドに対抗する行動週間」が開かれている。ヤズディ教徒に対するフェミサイドが行われた8月3日と、世界日本軍「慰安婦」メモリアルデーの14日を記憶するため、ベルリンのフェミニストたちが集まって集会や展示会などさまざまな行事を開催する。今年もドイツ統一の象徴であるベルリンのブランデンブルク門の前で8月3日と14日、「戦争、性暴力とフェミサイド撤廃」のスローガンが響き渡った。「ヤズディ教徒女性協議会」で活動中のニジアンさんは「アジア太平洋戦争期間と2014年8月3日イラクで発生したフェミサイドは、今も全世界で起こっている」とし、「今のように連帯して女性に対する暴力に対抗していく」と話した。

 日本政府の真の謝罪が行われるまで、さらには全世界の戦争性暴力問題がなくなるまで、毎年8月ごとにベルリンに響き渡る戦争性暴力に対抗するスローガンは止まないだろう。ドイツは1945年5月8日を終戦の日として記録したが、私たちにとってこの戦争はまだ終わっていない。公式の謝罪と法的賠償、戦争犯罪者の処罰なくして終戦はない。

チェ・ヘウォン:「女性新聞」「ウーマンタイムズ」などで取材記者として、またソウル市女性家族政策室で公務員として働いた。現在はドイツ・ベルリンで国際フェミニストグループ「国際女性空間」(IWS)のメンバーとして活動している。ベルリンで会った世界フェミニストと女性たちの話を書く。

チェ・ヘウォン(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/906982.html韓国語原文入力:2019-08-25 09:09
訳C.M

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