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統一部長官「現在の情勢は小康局面」…南北協議、円滑に進まないもよう

登録:2019-05-22 07:35 修正:2019-05-22 08:28
21日、統一部長官就任後初の記者懇談会 
 
「飢えた子どもは政治のことなど知らない」人道支援を強調 
「北側と協議する機会はまだない」
キム・ヨンチョル統一部長官//ハンギョレ新聞社

 キム・ヨンチョル統一部長官は21日、「現在、(朝鮮半島)全体の情勢を見ると、一種の小康局面」だと述べた。キム長官は同日、ソウル鍾路区のAWコンベンションセンターで、就任後初めて開いた記者懇談会で「韓米両国は状況管理の必要性に共感しており、交渉の再開に向けて様々な意見を交換している」と述べた。

 これと関連し、統一部高官は「調整局面がいつまで続くかを予測するのは難しいが、こうした局面こそ状況管理が重要だ」とし、「調整局面」が続く理由に、「(合意が見送られたことが対立の増幅に飛び火している)ハノイ(朝米首脳)会談の結果」と「北側内部組職の整備」を挙げた。同高官は「“水面上”(公式・公開窓口)と“水面下”(非公式・非公開窓口)は連動している」とし、国家情報院と北朝鮮統一戦線部の「水面下の窓口」も円滑に作動していないことを示唆した。また「交渉には適切な時期がある」とし、「今は忍耐強く内部的に状況を管理し、準備する時」だと強調した。

 キム・ヨンチョル長官は「統一部が当面した懸案は、人道支援に関するもの」だとしたうえで、「人道支援は人道主義という原則、それ以上でも以下でもない。“政治”と分離して進めるべきというのが国際社会の普遍的合意であり、政府の基本原則」だと強調した。キム長官は「国連安全保障理事会の対北朝鮮(制裁)決議にも、制裁が人道支援団体の活動を萎縮させてはならないという内容が盛り込まれている」とし、対北朝鮮食糧支援を含む人道支援への意志を遠まわしに強調した。キム長官は「飢えた子どもは政治のことなど知らない」というレーガン元米大統領の発言に触れた。ただし、キム長官は「(人道支援の)時期や規模、方法については、大統領も『国会と共感する機会が必要だ』と述べており、統一部もさまざまな意見聴取を行っている」と付け加えた。

 政府が17日に公式に検討する方針を明らかにした「対北朝鮮食糧支援」と関連し、統一部高官は「(北側と)そのような議論をする機会がまだ作られていない」と述べ、南北の当局レベルの協議がまだ行われていないことを隠さなかった。

 さらに、政府が17日に承認した開城(ケソン)工業団地参加企業関係者の「資産点検」目的の訪朝問題と関連しても、統一部高官は「政府が『引き続き協議中。努力している』と答弁する行間の意味を考慮してほしい」と述べ、南北当局の協議が円滑に進んでいないことをほのめかした。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/894746.html韓国語原文入力:2019-05-21 21:20
訳H.J

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