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ホワイトハウス「対北朝鮮圧迫は継続…韓国の食糧支援には干渉しない」

登録:2019-05-09 21:16 修正:2019-05-10 07:35
サンダース報道官「焦点は非核化」として 
人道支援には干渉排除 
対北朝鮮制裁を再確認し、韓国政府の対北朝鮮食糧支援は不干渉 
米、「人道支援を武器にするのか」批判に負担感じ 
北の飛翔体以後の緊張高揚に、対話再開の名分提供狙いか
ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官が8日、記者団の前で発言している//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米行政府が、北朝鮮に対する制裁圧迫基調を再確認しながらも、韓国政府の対北朝鮮人道支援には干渉しないと明らかにした。

 ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は8日(現地時間)、記者団が「北朝鮮が追加挑発をしたと見られるが、韓国が北朝鮮に食糧を送ることにトランプ大統領が黙っていると思うか」という質問に、「韓国がその部分において進めていくならば、私たちは介入しないつもりだ」と答えた。

 ただし、サンダース報道官は「北朝鮮に関する私たちの立場は最大の圧迫キャンペーンを継続していくということ」とし、「私たちの焦点は非核化にある」と明らかにした。

 対北朝鮮圧迫基調と関連して、マイク・ポンペオ国務長官もこの日、英国のロンドンで行った演説で「トランプ大統領は、北朝鮮の最終的かつ完全に検証された非核化に向けた強力な外交をリードしてきた」として「この任務は重要で、世界が参加した圧迫キャンペーンは続けなければならない」と話した。

 こうした発言は、4日の北朝鮮の短距離飛翔体発射以後に制裁を核心とする最大の圧迫戦略は変わりなく維持するものの、国際的制裁と関係のない韓国の対北朝鮮人道支援については止めないという基調を再確認したものだ。トランプ大統領は7日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との通話で「韓国が人道的次元で北朝鮮に食糧を提供することは、非常にタイミングが適切で肯定的措置になるだろう」として支持したと、韓国大統領府は明らかにした。

 国際社会の対北朝鮮人道支援に曖昧な態度を見せてきた米国が、韓国の食糧支援に同意したことは、最近の朝米緊張の中で融和ムードを作り、状況の悪化を防ごうとする意思と思われる。究極的には、北朝鮮が米国との対話に乗り出すよう出口と名分を用意しようとする意図と解釈される。

 米国はこれまで「非核化に関連した対北朝鮮圧迫キャンペーンに、人道支援を武器としている」という国際社会と支援団体の批判に負担を感じていたと外交消息筋が伝えた。これに対し米国は昨年12月、スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表が訪韓し「対北朝鮮人道支援が影響を受けないよう、米国人の北朝鮮旅行禁止措置を再検討する」と明らかにするなど、人道支援カードをちらつかせてきた。

 ハノイでの2回目の朝米首脳会談が物別れに終わったのに続き、北朝鮮の短距離飛翔体で緊張が高まった状況で、トランプ大統領は文在寅大統領の積極的な人道支援構想に同意したと見られる。北朝鮮の核・ミサイル試験の中断を代表的外交成果に挙げてきたトランプ大統領としては、北朝鮮の追加行動を遮断することが急務になっている。米行政府は、食糧支援が朝米間の緊張を180度反転させられなくとも、膠着した雰囲気を和らげ、対話のモメンタムを生かす契機になれるか見守っていると外交消息筋が伝えた。

 米国が、韓国政府の対北朝鮮食糧支援を支持しながらも「介入しない」として一定の距離を維持したのは、主要な制裁の解除を要求する北朝鮮が食糧支援カードにどのように反応するかが不確かなためという解釈が出ている。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/893214.html韓国語原文入力:2019-05-09 16:50
訳J.S

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