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“レッドライン”は越えていない北朝鮮…米国の対応に注目集まる

登録:2019-05-10 06:07 修正:2019-05-10 07:25
4日の発射にはトランプ大統領、ポンペオ長官「対話継続」の意志示す
ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官が8日、記者団の前で発言している//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が4日に続き、9日にも再びミサイルを発射したことで、「対話継続」の意志を明らかにしてきた米国の今後の対応が注目される。米国は5日前の発射については、対話への意志を害するものではないという立場を示したが、北朝鮮の追加発射について“計算”に入るものとみられる。

 米マスコミは北朝鮮の同日の行動を速報で伝えたが、重大な状況変化とは見ていない様子だった。ニューヨークタイムズ紙は「4日の(1回目の)発射は、物別れに終わったハノイ首脳会談の時よりも米国からより柔軟な提案を引き出すための圧力と見られた」としたうえで、「短距離ミサイルを発射する金正恩(キム・ジョンウン)委員長の選択は、彼が交渉の再開に対する希望をまだ捨てていないことを示唆する」と報じた。1回目の発射直後、トランプ大統領は「金正恩委員長は私との約束を破りたいと思っていない」として、対話を続ける意思を表明しており、マイク・ポンペオ国務長官も翌日、飛翔体が中長距離や大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないとし、「北朝鮮と対話を続けたい」と述べた。

 ワシントンポスト紙も「今回の発射は驚くべきことではない。北朝鮮は韓米合同軍事演習に対し、重ねて不満を示してきた」と指摘した。しかし、CNNは「追加発射により、膠着状態にある朝米交渉や韓国との平和交渉において、複雑さを増した」と分析した。

 今回の発射が、米国が対話中断の“レッドライン"に設定した大陸間弾道ミサイルの発射や核実験の再開ではないことから、北朝鮮に対する圧力を続けながらも、韓国政府の対北朝鮮人道支援には干渉しないという米国の立場に大きな変化はないものと見られる。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は8日(現地時間)、「韓国がその部分(食糧支援)を進めていくなら、我々は介入するつもりはない」と述べた。

 しかし、北朝鮮が米国の神経を逆なでする追加行動を続けた場合、対話再開のモメンタムを見つけるのはますます困難になる見通しだ。北朝鮮は8日、「朝鮮中央通信」に公開した外務省報道官の発言を通じて、「わが軍が行った訓練は、正常な軍事訓練の一環として、地域情勢を激化させたわけでもない」と主張した。今後、類似した訓練がさらに続く可能性もあることを示唆する発言だ。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/893312.html韓国語原文入力:2019-05-09 20:30
訳H.J

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