文在寅(ムン・ジェイン)大統領が7日「新朝鮮半島体制は、平和が経済発展につながり、平和をさらに強固にする好循環の平和経済」だとし、「それを成し遂げる土台は、平凡な国民の意志」だと述べた。文大統領は同日、就任2周年を迎え、ドイツの日刊紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」(FAZ)への寄稿で、「南北問題は理念と政治に悪用してはならず、平凡な国民の生命と生存の問題へと拡張していくべきだ」として、このように述べた。
文大統領は「南北は共に生きるべき『生命共同体』」だとし、「朝鮮半島で南北が和解し、鉄道を敷き、物流を移動させ、人が往来すれば、韓国は陸の孤島ではなく、海洋から大陸へと進出する橋頭堡であり、大陸から海洋に進む関門となる。平凡な人たちの想像力が広まるというのは、すなわち理念から解放されるという意味でもある」と強調した。また「南北経済交流の活性化は、周辺国との連携により朝鮮半島を越えて東アジアとユーラシアを経済回廊へと生まれ変わらせることができる」とし、「平和を成し遂げるのも、結局平凡な国民の意志から始まり完成できるということを世界に示せるよう望んでいる」と述べた。
特に、文大統領は「新朝鮮半島体制」のスタートが、朝鮮半島の完全な非核化と朝米の国交樹立という点を繰り返し強調した。彼は「朝米対話が完全な非核化と国交正常化を果たし、停戦協定が平和協定へと完全に移行されてこそ、冷戦体制は崩壊し、朝鮮半島に新たな平和体制が確立するだろう」とし、ハノイで開かれた第2回首脳会談以降、膠着状態を維持している朝米に、遠まわしに対話を促した。彼は「新朝鮮半島体制は受動的な冷戦秩序から能動的な平和秩序へと切り替えることを意味する」としたうえで、「韓国国民はかつて、日帝の強制占領と冷戦のため、自分の未来を決めることができなかったが、これからは自ら運命を切り開こうとしている。これは平凡な人々が自らの運命の主人になること」だと述べた。
文大統領は寄稿文で、平凡な韓国国民が、歴史の節目ごとに正義と平和の行動に出て、民主主義と経済発展を成し遂げたと強調した。文大統領は1980年の光州(クァンジュ)民主化運動について言及し、「道徳的行動こそが、不正な権力に対抗する最も偉大な行動であることを痛感した」とし、「ろうそく革命もやはり、最も平凡な人々が最も平和な方法で民主主義を守り抜いたもの」だと述べた。
文大統領の寄稿文は、5月末に中国の習近平国家主席など世界主要国首脳や財界、宗教界の指導者たちの寄稿とともに、「新しい世界秩序」(仮題)という見出しの寄稿集として、ドイツで出版される予定だ。