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朝ロ首脳会談、共同声明はないだって?

登録:2019-04-24 21:50 修正:2019-04-25 07:46
ロシア、会談に先立ち「共同声明はない」表明 
米国との軋轢を避けるための措置の可能性 
年末まで対話の門を開けておいた北朝鮮の要請かも
北朝鮮の金正恩国務委員長が24日午後、ウラジオストク駅に到着し、軍楽隊の国家演奏などの歓迎行事に参加している=ウラジオストク/ロイター・聯合ニュース

 ロシアのクレムリンが23日(現地時間)、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とウラジーミル・プーチン大統領の初の首脳会談を公式発表し「共同声明はない」と明らかにした。首脳会談で共同声明を採択しないケースは珍しくないが、両国が8年ぶりに持つ首脳会談であることに加え、北朝鮮の核と制裁など主要懸案があるにもかかわらず、ロシア側が会談に先立ち共同声明への期待を遮断した点は注視に値する。

 ロシアのノーボスチ通信は、ユーリ・ウシャコフ大統領外交担当補佐官がこの日記者団に「共同声明は検討も計画もされていない」と述べたと報道した。これはウシャコフ補佐官が明らかにした「朝鮮半島非核化問題の政治・外交的解決」という議題の敏感性のためだとみられる。2回目の朝米首脳会談が決裂した後、朝米交渉が小康状態に陥った局面で、ロシアが非核化問題と関連して米国のムードに反する内容を合意文に入れることが負担として作用した可能性がある。ク・ガブ北韓大学院大教授は「米国が神経を尖らせているのに、ロシアがあえて米国と軋轢を生じさせる必要はないため」と解説した。

 むしろ北朝鮮側が“共同声明なき会談”を要請した可能性も提起される。ホン・ミン統一研究院北朝鮮研究室長は「北朝鮮が昨年9月の平壌宣言に“寧辺(ヨンビョン)カード”を入れたことが結局、米国の要求レベルを高めたという判断をしているだろう」とし「金委員長が“米国の勇断”を待つとした年末以前に、非核化関連合意を露出させることは負担になるだろう」と分析した。

 今回の会談が、国賓訪問ではない実務型会談である点、実質的な会談準備期間が長くなかったことも、共同声明を出さないことにした理由になりうる。両国間の意見の相違のために声明を出せないわけではないということを、あらかじめ知らせる手段かもしれないという分析も可能だ。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/891364.html韓国語原文入力:2019-04-24 19:00
訳J.S

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